2007 Fiscal Year Annual Research Report
定点観測による北海道農村住宅変容過程追跡と循環型集落環境システムに関する計画研究
Project/Area Number |
17360290
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
森下 満 Hokkaido University, 大学院・工学研究科, 助教 (10091513)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
住谷 浩 北海道工業大学, 工学部, 教授 (40048054)
月舘 敏栄 八戸工業大学, 工学部, 教授 (50124897)
西村 伸也 新潟大学, 工学部, 教授 (50180641)
足達 健夫 専修大学北海道短期大学, 准教授 (00269193)
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Keywords | 定点観測 / 農村住宅 / 変容過程 / 循環システム / 集落環境 / 農村計画 |
Research Abstract |
本研究の主たる目的は、前回調査より10数年の時間を経て再び変化の兆しを見せはじめている北海道農村住宅の新しい動向をとらえ、変化の方向とその意味を明らかにすると同時に、新しい研究意義として安定した農村集落と農村住宅が有する地球に優しい循環型環境システムの意義に着目し、新たに北海道特有の低密度型集落環境の実態を住宅と集落との関係から明らかにすることにある。 本年は、研究対象の追跡農家住宅のある道央・道東7市町(秩父別、当麻、端野、女満別、別海、帯広市大正、清水)のうち、(1)稲作地で、明治の開拓初期の屯田兵村を集落発生契機とする当麻、(2)畑作地で、明治の開拓初期の殖民区画を集落発生契機とする帯広市大正を典型地域として選択し、集落の空間構成とコミュニティ形成、農村居住環境システムの特性について実態調査、資料収集調査及びヒアリング調査を実施した。その結果、(1)グリッドパターンの均質的、抽象的な区画割りに対して個別的、具体的な空間表現としての生活コミュニティや道路、(2)生活コミュニティ(町内会)の空間単位と共同施設(会館)、(3)共同施設の特徴的な敷地構成要素、をそれぞれとらえ、集落空間構成の特徴を明らかにした。一方では、(4)近年の農事組合の統合化にともなう生活コミュニティ(町内会)と生産コミュニティ(農事組合)のずれという社会的課題をとらえた。従来、北海道農村が散居であることを理由に、集落空間構成はほとんど捉えられていなかったが、今回その一端を明らかにできた意義は大きい。 最後に、本年を含む3年間の研究成果として、農村住宅の変容・維持・再生のメカニズムの検証と、これからの循環型社会において望まれる農村ライフスタイルと住環境システムのあり方について検証を加え、あるべき農村住宅と農村集落環境像の提案を行った最終報告書を作成した。
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Research Products
(10 results)