2005 Fiscal Year Annual Research Report
日本型高度土地利用作物栽培システム確立のための土壌微生物機能の解明と利用
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17380009
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
森田 茂紀 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (00143404)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
峯 洋子 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助手 (70282704)
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Keywords | 土壌微生物 / 根粒 / 菌根菌 / 蛍光顕微鏡 / 根の動態 / ミニライゾトロン法 |
Research Abstract |
ラッカセイの根系形成について遺伝的な背景に着目して検討を行い、大きな変異があることを確認した。現在、根系形成モデルを構築しながら解析を進めている。また、ラッカセイ栽培において根粒を有効に利用するために、根粒のサイズと窒素固定能力との関係にっいて検討を行った。その結果、根粒内で根粒菌感染領域が占める割合は根粒のサイズによらずほぼ一定であり、根粒のサイズから感染領域の量を推定できることを明らかにした。また、多くの場合、根粒のサイズとアセチレン還元活性で評価した窒素固定能力との間に密接な関係があり、根粒の直径を測定すれば窒素固定能力を推定・評価できることが分かった。ただし、サイズが極端に小さいものについては窒素固定能力が低いことから、根粒の窒素能力は発育段階と密接に関係していることが示唆された。菌根菌が野菜の生育に及ぼす影響について炭を加えることで改良する試みを行った。土壌に炭と菌根菌を加えると、野菜の生育がよくなることが確認された。その場合、従来から炭が菌根菌の感染に影響することが着目されてきたが、本研究の結果、炭の何らかの影響で作物の生育が促進され、そのため菌根菌の感染が向上するフィード・フォーワード的な効果があることが示唆された。土壌微生物の研究においては、従来の培養法だけでは不十分で、新しい研究方法の開発が必要である。そこで、本研究では分子生物学的な手法を取り入れることを検討しており、土壌から微生物のDNAを採取する方法を開発し、これを蛍光顕微鏡を利用して解析する方法を検討している。土壌微生物の機能は、作物の根系形成との関係に着目して検討する必要があるので、水稲を対象として根系形成の動態をミニライゾトロン法を利用して検討した。その結果、根の発生と枯死分解を詳細に把握することが可能となり、養水分吸収の入口となる側根のターンオーバーが速いことが明らかとなってきた。
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Research Products
(5 results)