2006 Fiscal Year Annual Research Report
土着天敵カブリダニの実践的放飼による果樹加害性ハダニ類管理手法の確立
Project/Area Number |
17380034
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
天野 洋 千葉大学, 園芸学部, 教授 (00143264)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高藤 晃雄 京都大学, 大学院・農学研究科, 教授 (50026598)
豊島 真吾 (独)農業・食品産業技術総合研究機構, 果樹研究所リンゴ研究拠点, 主任研究員 (70355436)
岸本 英成 (独)農業・食品産業技術総合研究機構, 果樹研究所果樹害虫研究チーム, 主任研究員 (50355393)
望月 雅俊 (独)農業・食品産業技術総合研究機構, 果樹研究所果樹害虫研究チーム, 上席研究員 (90354117)
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Keywords | 昆虫 / 応用動物 / 天敵 / 害虫管理 / 持続型農業 |
Research Abstract |
わが国の主要果樹4種(カキ/リンゴ/カンキツ/ブドウ)と周辺部におけるカブリダニ類(和名カブリダニ部を以下省略)の発生状況を検討するとともに室内実験を実施してその行動を観察した。 1)奈良県の無農薬カキ圃場において、2種類のトラップを用いて土着カブリダニ相を調べた結果、種類相は単純で、樹上と樹下で大きな違いはなかった。樹下ではニセラーゴおよびケナガが優占した。一方、樹上ではニセラーゴが多く、ケナガの発生は認められなかった。これら以外にはタテスジの発生が秋に多く見られた。 2)東北のリンゴ園周辺に自生する木本植物の天敵供給源としての有効性を評価した。ガマズミおよびクワの枝にカブリダニ回収用トラップを設置し、当該トラップと葉に生息するカブリダニを計数し種構成および発生量を明らかにした。既知8種と未知2種のカブリダニが採集され、未知種については新種記載した(Ehara et al、2006)。発生した3種はリンゴハダニまたはリンゴサビダニの捕食者として知られ、ガマズミ葉またはクワ葉はリンゴ寄生ダニ類の防除に利用できる天敵供給源として有効である。 3)西南暖地のカンキツにおけるカブリダニ類利用の基礎資料として、九州各県のカンキツ園でカブリダニの種構成を調べた。近年新たな天敵として注目されているミヤコは九州各県で発生が確認されたが、大分県、鹿児島県では発生が少なかった。本種は慣行防除園で多く観察され、その発生はミカンハダニの発生とよく同調した。 4)垣根仕立てブドウ樹冠下に栽培した青刈りダイズのカブリダニ供給源植物(バンカープラント)としての可能性を検証するため、ダイズでのカブリダニ類の発生消長とブドウへの移動実態を調査した。ダイズでは8月になるとカブリダニ類の密度が高まり、部分的ながらダイズ栽培区のブドウでは対照区よりも多数のカブリダニを確認できた。採集した土着種キイはチャノキイロアザミウマに対して高い捕食性を示した。
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Research Products
(9 results)