2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17380154
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
赤瀬 章 Yamagata University, 農学部, 教授 (30007075)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤浦 建史 大阪府立大学, 大学院・生命環境科学研究科, 教授 (00026585)
今川 順一 奈良県農業総合センター, 果樹振興センター, 総括研究員 (70393402)
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Keywords | トレリス栽培 / 三次元視覚センサ / 直角座標ロボット / 収穫ハンド / 果実収穫率 / 1本仕立て / 開閉式フィンガ / 低樹高 |
Research Abstract |
トレリス栽培されたオウトウを対象にして,三次元視覚センサを取り付けた直角座標ロボットを試作した。収穫ハンドは開閉型,平行リンク型,リング型,カット型を試作した。果実とロボット間の距離は40cmが最も適していた。ほ場試験では,ハンドの位置が果梗からずれる場合があった。そのずれは最大約1cmであり,ハンドの位置決定成功率は57.2%であった。ハンドの位置決定が適正になされた時の各ハンドの果実収穫率は開閉型と平行リンク型では80%以上であった。リング型ではその直径が果実直径に比して小さかったため0%であった。 1本仕立てのオウトウを対象にした実験では,従来は吸引用パイプ先端に果実を吸着したあと,半円状の2本のフィンガで果梗を把持していたが,果実が密集している場合にフィンガで周辺の果実に損傷を与えることがあった。そこで,果梗を開閉式フィンガで把持して収穫する新しいハンドを試作した。フィンガの入口幅を果実より狭くすることでほかの果実の損傷を防止した。果梗が斜めになった果実でも収穫できるよう開閉式フィンガを3連とし幅45mmの範囲の果梗を把持可能とした。実験の結果,周辺果実損傷防止効果を確認できた。三次元視覚センサで認識した果実数に対する収穫果実数の比率は44%であった。 低樹高一本仕立ては,植栽7年目に10a当たり800kgの収量を得ることができた。作業時間は盃状形と比べて,収穫は約3分の2,剪定は約4分の1に抑えられたが,摘芯は約3倍かかった。ポットを用いた加温栽培試験では,休眠覚醒直後(7.2℃以下の遭遇時間が1,400時間)に最低温度5℃から漸次昇温し,5月中旬収穫を目標とするのが効率的と考えられた。
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