• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2006 Fiscal Year Annual Research Report

植物におけるカドミウムの吸収・輸送動態に関するポジトロンイメージングを用いた研究

Research Project

Project/Area Number 17380194
Research InstitutionJapan Atomic Energy Agency

Principal Investigator

藤巻 秀  独立行政法人日本原子力研究開発機構, 量子ビーム応用研究部門, 研究員 (20354962)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 鈴井 伸郎  独立行政法人日本原子力研究開発機構, 研究員 (20391287)
中村 進一  秋田県立大学, 生物資源科学部, 助教 (00322339)
Keywordsカドミウム / ポジトロン / 放射性 / イメージング / 吸収 / イネ / ファイトレメディエーション
Research Abstract

本研究課題の目的は、土壌および食糧の汚染が社会問題となっているカドミウムについて、カドミウムの経根吸収および植物体中の輸送の動態をポジトロン放出カドミウム核種を用いたリアルタイムイメージングによって明らかにすることである。それに対し、18年度の成果としては、幼個体だけではなく、現実的に重要な登熟期のイネに対するイメージングに初めて成功したこと、植物に与えるカドミウムの濃度を広い範囲で変化させてイネとソルガムについて定量的なデータを集めたことなどが挙げられる。
具体的な成果は以下の通りである。
1.カドミウム吸収・輸送動態のポジトロンイメージングによる撮像
出穂後10日前後の登熟期のイネについて、根基部、地上部基部、節、穂のイメージングを行った。その結果、カドミウムが伸長茎(稈)、特に各節に強く集積すること、頴果にも集積が認められるものの葉鞘・葉身にはほとんど移行していないことが明らかになった。また、イネ幼個体を用いた根分け実験により、カドミウムを吸収させていない根に対する葉鞘基部からのカドミウムの分配が撮像された。これは葉鞘基部の節においてカドミウムが導管から篩管へ乗り換えることを示しているものと考えられる。このことと登熟期に伸長茎の節に強く集積したことを総合すると、カドミウムが玄米に移行・集積する際に伸長茎の節において段階的に導管から篩管に乗り換えるというメカニズムが推察される。
2.ポジトロンイメージングデータの数理的解析
根、節、葉鞘などの各器官におけるトレーサ量の経時変化曲線(time-activity curve)を解析した結果、登熟期のイネの節間において穂に向かうカドミウムの移行速度は約5cm/hであることが明らかになった。またソルガムではイネと異なり葉鞘基部から葉鞘・葉身へのカドミウムの再移行が認められ、カドミウムをより葉に集積しやすい性質が明らかになった。この性質はファイトレメディエーションへの利用に対する植物品種や環境条件の適性を計る具体的な指標となると考えられ、これに着目してさらに研究を進めることとした。

URL: 

Published: 2008-05-08   Modified: 2016-04-21  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi