2006 Fiscal Year Annual Research Report
ラミニンの細胞特異的な機能部位の同定と作用メカニズムの解明
Project/Area Number |
17390024
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Research Institution | Tokyo University of Pharmacy and Life Science |
Principal Investigator |
野水 基義 東京薬科大学, 薬学部, 教授 (00311522)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 純司 東京薬科大学, 薬学部, 助教授 (60200721)
宇谷 厚志 京都大学, 大学院医学研究科, 助教授 (10292707)
門谷 裕一 北里大学, 医学部, 講師 (10185887)
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Keywords | ラミニン / 基底膜 / ペプチド / インテグリン / シンデカン / 細胞接着 / CD44 |
Research Abstract |
ラミニン由来の活性ペプチドの同定と、それらが器官発生、神経再生、創傷治癒などの高次生命現象に及ぼす役割を解明し、細胞特異的に働く活性ペプチドを医薬分野などに応用するための基盤づくりを目的に研究を行った。まず、皮膚に多く存在するラミニンα3鎖の活性ペプチドでループ部位に存在するEF-3に注目し、このペプチドの環状ペプチドを作成したところ鎖状のものに比べ遙かに活性が増大することが分かった。さらに、この環状ペプチドの構造を計算により調べたところ、タンパク内とループ構造と類似した構造をとることが分かった。これらの結果を加藤らBiochemistry誌(印刷中)に報告した。また、我々が同定した60種類のラミニン活性ペプチドの中で5種類のペプチドがコンゴレッドにより染色され、電子顕微鏡やX線回折を用いた実験からアミロイド様繊維構造をとることがわかった。さらに、これらの5種類のペプチドはアミロイドβペプチドと同様に細胞接着や神経突起伸長を促進することが分かり、葛西らBiochemistry誌(印刷中)に報告した。また、シンデカンに結合するAG73ペプチドが血管新生を促進することを見いだし、望月らArch.Biochem.Biophys.誌(印刷中)に報告した。また、これらの活性ペプチドの医薬分野への応用をめざし、インテグリンに作用するラミニン由来ペプチドをキトサン膜に結合させることによりペプチドマトリックスを作成し、生物活性を測定したところ、作用するインテグリンに特異的に生物活性が異なることを見いだし、望月らBiopolymers誌(印刷中)に報告した。また、ペプチドーキトサン膜にヒト表皮細胞を接着させ、ヌードマウスへの移植実験を行ったところ、効率よくヒト表皮細胞がヌードマウスへの移植されることを見いだし、池本らJ Biomed Mater Res A.誌に報告した。
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Research Products
(6 results)