2005 Fiscal Year Annual Research Report
剖検診断の為のストレス関与の評価:尿中のDNA損傷物質,ストレスホルモンの意義
Project/Area Number |
17390201
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
久保 真一 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (10205122)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
徳永 逸夫 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教授 (30116842)
北村 修 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 講師 (70266609)
後藤田 貴子 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助手 (50304506)
中園 一郎 長崎大学, 大学院・医歯薬総合研究科, 教授 (30108287)
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Keywords | 過酸化障害 / 酸化的DNA損傷 / 8-hydroxy-2'-deoxyguanosine / 血中cortisol / ACTH / 死因 |
Research Abstract |
8-OH-dGは比較的安定な物質で,生体内で代謝や分解されることなく尿中に速やかに排泄されるため,活性酸素による生体損傷のバイオマーカーとされている。最近,様々なストレスと尿中8-OH-dGとの関係が明らかになってきている。私たちは,尿中8-OH-dGの法医学的意義,特に剖検診断における意義を検討する目的で本研究を実施した。 【材料および方法】 健康成人および検案症例,剖検症例から血液,尿を採取した。8-OH-dGはELISA法で,Cortisol, ACTHはRIA法で測定した。 【結果および考察】 (1)保存温度の8-OH-dG濃度に及ぼす影響:健康成人から採取した尿を,-20℃,4℃,室温,37℃に保存し,18週間に亘り8-OH-dGを測定した.保存温度による8-OH-dG濃度に大差を認めなかった。(2)血中,尿中8-OH-dG濃度:現在までに検案症例,剖検症例の症例33例について,8-OH-dGの測定を実施した。その結果,血中8-OH-dG濃度は,1.91±0.186ng/ml(平均±標準誤差)であった。尿中8-OH-dG濃度は,7.07±0.786ng/mlであった。血中,尿中8-OH-dG濃度と年齢,発症から死亡までの経過時間,死後経過時間との間に明らかな相関を認めなかった。(3)血中cortisol濃度:症例の血中cortisol濃度は28.5±3.59μg/dl(平均±標準誤差)であった。血中cortisol濃度と年齢,発症から死亡までの経過時間,死後経過時間との間に明らかな相関を認めなかった。(5)血中,尿中8-OH-dG濃度,血中cortisol濃度と死因:血中,尿中8-OH-dG濃度と血中cortisol濃度との関係を検討したところ,尿中8-OH-dG濃度と血中cortisol濃度とがともに高値を示した症例の中に凍死や溺死が含まれていた。
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