2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17390273
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
黒川 峰夫 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (80312320)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
半下石 明 東京大学, 医学部附属病院, 特任講師 (20344450)
伊豆津 宏二 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (30361471)
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Keywords | Evi-1 / アイソフォーム / 多量体 / 造腫瘍性 / TGF-β / CtBP / AML1-Evi-1 / AP-1 |
Research Abstract |
Evi-1aは骨髄性白血病にて高発現する転写因子で、造血細胞の悪性化に深く関与する。一方、そのアイソフォームEvi-1cはEvi-1aのN端にPRドメインと呼ばれる構造を持ち、Evi-1aと異なり、白血病との関係が明らかでない。この2つのアイソフォームが、どのような機能の差を持つのかは今まで不明であった。生体内に存在する多くの蛋白質が多量体を形成して機能するが、以前われわれはEvi-1aがホモ多量体を形成するのに対してEvi-1cは多量体を形成しないことを示した。本年はさらにEvi-1aの造腫瘍性に重要なTGF-βシグナル抑制機能が、Evi-1cで著明に減弱していることを明らかとした。この機能の減弱は、Evi-1aと協調してTGF-βシグナル抑制に働くコリプレッサーCtBPとEvi-1cの結合欠如が一つの原因と考えられた。またt(3;21)(q26;q22)転座で形成されるAML1-Evi-1キメラ蛋白質も、ホモ多量体を形成することを見いだした。AML1-Evi-1はEvi-1aと同様に造腫瘍性を有しており、やはりCtBPと結合してTGF-βシグナルを抑制する。すなわちEvi-1関連蛋白質では、ホモ多量体形成がCtBPとの結合を制御し、腫瘍形成促進に重要な機構を担っていると推測される。AP-1活性の誘導は、Evi-1aの造腫瘍性に重要なもう一つの機構と考えられるが、Evi-1cはEvi-1aの持つAP-1誘導能を喪失していた。このように本研究により、Evi-1の2つのアイソフォームでTGF-βシグナル抑制機能、AP-1誘導能に決定的な違いがあり、ホモ多量体形成能がそれらの活性を制御する可能性が示唆された。
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Research Products
(3 results)