2006 Fiscal Year Annual Research Report
Marginal donor過小グラフトにおける肝グラフト機能向上の試み
Project/Area Number |
17390343
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
里見 進 東北大学, 病院, 教授 (00154120)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
赤松 順寛 東北大学, 大学院医学系研究科, 助手 (50302112)
土井 秀之 東北大学, 病院・助教授 (90188839)
後藤 順一 東北大学, 病院・教授 (80006337)
宮城 重人 東北大学, 病院・助手 (00420042)
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Keywords | エネルギーステイタス / 酸素化冷保存前灌流 / NHBD / ビリベルジン / エダラボン |
Research Abstract |
【背景目的】 近年marginal donorとして心停止ドナー(NHBD)からの肝移植の可能性が研究されている。NHBD肝グラフトでは、エネルギーステイタス(ES)の悪化や酸化ストレスに起因する様々な障害を認めることが知られている。NHBDからの膵ラ氏島においては、黒田らの二相法により、ESを心停止前に近い状態に引き上げることが可能と報告された。しかし臓器としての肝グラフトにおいては未だに有効な方法はない。今回我々は、二相法の考え方を応用し、酸素化冷保存前灌流(前灌流)や抗酸化作用を持つビリベルジン(BV)添加により、マージナル肝グラフト機能向上効果を検討した(実験1)。 【方法】 ラット肝に心停止後30分間の温阻血を加え、6時間のUW液中冷保存後にKlebs-Henseleit(KH)液にて1時間ex vivo再灌流した。4群にわけ実験した。温阻血をおかないHB群をコントロールとし、NHBD群は前述のとおり作成。前灌流群は温阻血後30分間酸素化KH液にて酸素化した後冷保存を行った。BV群は前灌流液にBVを加えた。門脈流量、胆汁産生量、灌流液中サイトカイン、肝組織中energy charge(EC)、ATP量を検討した。 【結果】 前灌流群の門脈流量及び胆汁産生量はNHBD群に比し有意に改善。EC、ATP量も前灌流により0.41±0。028vs0.36±0.025、691.8±119.58vs494.1±76.44(pmol/g)と改善し、BV添加にて0.49±0.021、1036.2±109.77と更に改善。TNF-αは前灌流にて低下傾向を示した。 【結論】 冷保存前の酸素化灌流および抗酸化剤のBVはNHBDからの肝移植の成績向上に寄与する可能性がある。
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Research Products
(2 results)