2005 Fiscal Year Annual Research Report
ヒトABO血液型不適合肝移植における生着機序解明と液性拒絶克のための戦略
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17390350
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
江川 裕人 京都大学, 医学研究科, 助教授 (40293865)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前川 平 京都大学, 医学研究科, 教授 (80229286)
小川 晃平 京都大学, 医学研究科, 助手 (10359789)
羽賀 博典 京都大学, 医学研究科, 助手 (10252462)
鶴山 竜昭 京都大学, 医学研究科, 助手 (00303842)
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Keywords | 血液型不適合 / 生体肝移植 / 抗体価 / B細胞 / 抗CD 20抗体 / 推奨プロトコール |
Research Abstract |
研究1 目的:抗CD20抗体非使用・血液型不適合肝移植症例におけるB細胞の術後早期動態の研究 結果:肝臓血流再開後、早期におけるB細胞の動態をフローサイトメトリーを用いて検討した。1)1時間後にはリンパ球中にB細胞が占める割合は増加し始めそのピークは3時間後から5日後に見られ以後低下した。2)術後抗体価上昇や液性拒絶の徴候・症状が見られた症例では、術後B細胞の割合のピーク値は40%を超えるがどちらも見られない症例では20%を超えなかった。3)術前の同値は術後の上昇の程度を予測できなかった。4)術後液性拒絶を発症した後に抗CD20抗体を使用したところ、末梢血中B細胞は有意に低下したが抗体価の情報を抑制することはなく臨床的にも有効ではなかった。 結語:現時点では抗CD20抗体を使用する症例を術前に選択することは不可能であり、術後レスキューとしては有効ではない。全症例に術前投与することが必要である。 研究2 目的:抗CD20抗体術前投与プロトコールの確立 結果:血液型不適合症例に術前一回投与を行った。 1)移植時のB細胞は、投与と移植の期間の長さに関係なくほぼ1%未満に抑制された。2)手術前1週間以上早期に抗体療法を行った方が術後の抗体価抑制、B細胞増加抑制に有効であるような傾向が認められた。3)抗体による特記すべき副作用を認めなかった。4)症例数が少ないのでさらなる症例が必要。 課題:1)抗体によるB細胞の抑制効果の持続期間とそれに伴う感染症リスクの評価、2)術前投与の正確な推奨時期の確立、3)推奨投与量の確立、4)抗体投与且つ脾摘症例のおける脾臓内B細胞の抑制効果の確認、5)B細胞サブタイプ推移と抗体価上昇の関係の解明、6)多施設における研究展開又は全国調査による疫学的調査6)血液型抗原検出及び定量法の開発
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Research Products
(4 results)