2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17390383
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
横見瀬 裕保 香川大学, 医学部, 教授 (80231728)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 恭通 香川大学, 医学部附属病院, 講師 (50314927)
後藤 正司 香川大学, 医学部附属病院, 助手 (40398029)
田畑 泰彦 京都大学, 再生医科学研究所, 教授 (50211371)
黄 政龍 香川大学, 医学部, 助教授 (10271511)
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Keywords | 膿胸治療 / ポリ乳酸 / カプロラクトン / 外科療法 / 組織再生 / FGF徐放化学架橋ゼラチン / 血管新生 / 胸腔 |
Research Abstract |
目的:呼吸器外科における古くて新しい問題は"死腔の処理"である。術後に死腔が遺残した場合、ドレナージの長期化、膿胸の合併を伴うことがあるが術直後から死腔がなければこのような合併症は存在しない。死腔の処理に自己の間葉系細胞から誘導された自己組織を使用すれば患者に過大な負担をかけないQOLを重視した医療となる。我々がこれまで行ってきた"吸収性素材の足場に細胞増殖因子を徐放させ自己の組織を誘導する技術"を導入することで新しい死腔の処理法を開発する。 材料:200〜300μmの小孔を持たせた1x1x1cmの直方体のポリ乳酸とカプロラクトンの共重合体(PLAcoCL)スポンジを作成した。直径100μmのFGF徐放化学架橋ゼラチンビーズを作製した。 移植実験ウサギ左肺全摘モデルの非感染性胸腔にPLAcoCLとbFGF徐放ゼラチンビーズを留置した。術後1,2,3,6ヶ月後胸部CTにより再生組織の画像的診断を行った後、胸腔内組織の形成過程を組織学的に検討した。 結果:移植PLAcoCLは表面が胸膜に続く新生血管を伴う線維性被膜で被覆され、内部に肉芽組織を誘導した。3ヶ月まではPLAcoCLのスポンジ構造は維持されていたが6ヶ月で吸収されていた。肉芽組織はPLAcoCLの内部にのみみられ、PLAcoCLを越えての過剰肉芽形成は認めなかった。FGF徐放化学架橋ゼラチンビーズの付加の影響は認めなかった。
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