2005 Fiscal Year Annual Research Report
カプセル化した幹細胞の脳内移植による神経疾患の治療
Project/Area Number |
17390400
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
伊達 勲 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (70236785)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉生 憲志 岡山大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (40325105)
徳永 浩司 岡山大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (40294467)
三好 康之 岡山大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 講師 (00362997)
小野田 惠介 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助手 (20379837)
松井 利浩 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助手 (80362995)
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Keywords | ES細胞 / ドパミンニューロン / カプセル / パーキンソン病 / 細胞外基質 / 神経幹・前駆細胞 / 腫瘍化 / 分化誘導 |
Research Abstract |
まず最初に、ES細胞をカプセル化することをめざした。そのままのES細胞は増殖性が高いために簡単にカプセルが破壊してしまうので、ドパミンニューロンへの分化誘導法を用いて分化させたのちにカプセル化を行った。そのとき、現在当施設で使用している透析に利用される中空糸ではなく、アガロースを用いた球状の約500μmのマイクロカプセルを用いた。このカプセル内の細胞が、in vitroで約1ヶ月間持続的に壊れることなく、ドパミンやL-ドパを産生していることを確かめた。 カプセル化ES細胞由来ドパミン細胞をパーキンソン病モデルラットの線条体内に移植した。行動学的評価として、アポモルフィン誘発回転運動を行い、コントロールカプセル群と比べて有意に行動学的改善を認めた。この効果は約1ヶ月間持続した。その後に取り出した脳から組織学的にドパミンが産生されていることを確認した。また、カプセルが壊れたり、脳内に腫瘍を形成することはなかった。現在、長期的効果を検討中である。 次にES細胞を従来当施設で使用している透析に利用される中空糸にカプセル化することを検討した。細胞をそのままカプセル内に充填しても足場が十分でないためにカプセル内の細胞は長期間生存することができない。そこで、細胞外基質であるコラーゲン1型やラミニンを一緒にカプセル内に充填することにより細胞は生存することができた。現在は1ヶ月までは細胞が生存することを確認した。神経幹・前駆細胞や骨髄細胞などを用いて、カプセル化細胞の作製を検討中である。
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Research Products
(3 results)