2006 Fiscal Year Annual Research Report
鼻性NK/T細胞リンパ腫のEBウイルスを標的とした新たな診断法・治療法の開発
Project/Area Number |
17390455
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Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
原渕 保明 旭川医科大学, 医学部, 教授 (80208686)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荻野 武 旭川医科大学, 医学部, 講師 (00312455)
坂東 伸幸 旭川医科大学, 医学部, 助手 (60312469)
小林 博也 旭川医科大学, 医学部, 助手 (90280867)
高原 幹 旭川医科大学, 医学部, 助手 (50322904)
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Keywords | 鼻性NK / T細胞リンパ腫 / EBウイルス / EBV DNA量 / LMP1 |
Research Abstract |
EBウイルス学的特性の解析として、7例の鼻性NK/T細胞リンパ腫組織よりDNAを抽出し、EBウイルス遺伝子であるLMP1遺伝子の変異を解析したところ、全てにおいて上咽頭癌での報告と類似するLMP1遺伝子C末端30塩基の欠失を認めた。その欠失が本疾患の発症に寄与している可能性を示した。また、LMP1の抗原エピトープと考えられている部分にも点変異を認め、宿主の免疫系からの回避に寄与している可能性を示した。 鼻性NK/T細胞リンパ腫細胞株SNK6、SNT8とEBV陰性のリンパ腫細胞株を用いて、cDNAマイクロアレイによる遺伝子発現解析を行った。結果、CD70とmetalloelastaseが鼻性NK/T細胞リンパ腫細胞株において発現上昇していることを示した。(第25回耳鼻咽喉科免疫アレルギー学会2007、甲府)。これらの発現亢進した分子が本疾患の特性にどのように影響しているか検討中である。 新たな診断法の開発としては、血清EBV DNA量測定の本疾患における治療前診断、再発徴候さらに予後因子としての有用性を証明した。測定法としてBamHI W fragmentとLMP1に対するプライマーの2種を用いることで、より臨床上有用な情報が得られることを示した。また、組織上のEBV再活性化遺伝子産物であるZEBRA蛋白の発現を免疫染色にて検討し、患者の不良な臨床経過と相関することをみいだした。
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Research Products
(5 results)