2007 Fiscal Year Annual Research Report
鼻性NK/T細胞リンパ腫のEBウイルスを標的とした新たな診断法・治療法の開発
Project/Area Number |
17390455
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Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
原渕 保明 Asahikawa Medical College, 医学部, 教授 (80208686)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荻野 武 旭川医科大学, 医学部, 講師 (00312455)
坂東 伸幸 旭川医科大学, 医学部, 助教 (60312469)
小林 博也 旭川医科大学, 医学部, 助教 (90280867)
高原 幹 旭川医科大学, 医学部, 助教 (50322904)
岸部 幹 旭川医科大学, 大学病院, 医員 (80447101)
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Keywords | 鼻性NK / T細胞リンパ腫 / ケモカイン / IP-10 / CXCR3 / promiscuous epitope / LMP1 |
Research Abstract |
ケモカイン抗体アレイを用いて鼻性NK/T細胞リンパ腫細胞株において発現が亢進しているケモカインとしてIP-10をみいだした。IP-10はEBV陽性NK/T細胞リンパ腫で発現が亢進し、そのリガンドであるCXCR3の発現も確認された。IP-10はCXCR3陽性T、NK細胞の走化性を亢進させることが知られている。鼻性NK/T細胞リンパ腫細胞においてはIP-10を産生し、自らのCXCR3に結合させ、autocrineの機序によって浸潤能を亢進させている可能性が示唆された。また、IP-10は免疫染色にて鼻性NK/T細胞リンパ腫細胞に、ELISA法にて患者血清中に確認され、治療によって血清IP-10濃度は低下することが確認された。これらの結果は、IP-10を対象とした新たな診断法、治療法の開発への基礎となるものと考える。 EBV関連悪性腫瘍細胞の多くに発現が認められるLMP1のCTLに認識されるepitope解析は多数報告されているが、ヘルパーT細胞に認識されるepitopeの解析は皆無である。HLA class II結合ペプチドアルゴリズムを用いて、多くのclass II分子に結合することが予測されるLMP1のpromiscuous epitopeを検索し、このepitopeを有するペプチドを合成し、HLA class IIに拘束されたLMP1 promiscuous epitopeを認識するヘルパーT細胞を誘導した。誘導されたヘルパーT細胞はHLA-DR9、HLA-DR53またはHLA-DR15に拘束され、ペプチドLMP1(159-175)を認識した。また、これらのヘルパーT細胞はEBV陽性のNK/T細胞リンパ腫細胞株を直接認識し、しかも細胞傷害能を示した。加えて、このペプチドLMP1(159-175)にはHLA-A2結合モチーフが存在し、CTLにも認識される可能性がある。これらの結果は鼻性NK/T細胞リンパ腫を含むEBV関連悪性疾患に対する、ペプチドLMP1(159-175)を用いた免疫療法の可能性を示唆する。
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Research Products
(5 results)