2006 Fiscal Year Annual Research Report
内分泌攪乱物質の唾液腺癌の発生・形質転換への関与と関連レセプターの動態への対応
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17390499
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
向後 隆男 北海道大学, 名誉教授 (80001949)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 太保 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (70124774)
進藤 政信 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (20162802)
飯塚 正 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 助教授 (80168062)
東野 史裕 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 講師 (50301891)
高橋 茂 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (70241338)
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Keywords | 唾液腺腺癌 / 形態形質転換 / 性ホルモン動態 / ラット / エストロジェンレセプター / アポトーシス / 組織多彩性 / 筋上皮細胞 |
Research Abstract |
1)発癌過程における内分泌撹乱物質の影響を検索した。卵巣摘出後DMBA投与、 DMBA投与完了後卵巣摘出の2群とし、発癌後の組織像へのホルモンの影響を検索するため、卵巣摘出後DMBA投与、卵巣摘出後DMBA+DES投与の2群に分けた。卵巣摘出、合成エストロゲンDESの投与により発癌過程および発癌後の腫瘍の組織像に種々の程度に相異がみられ、類似した組織像においてもCK、 PCNA、 S-100蛋白、 ERの発現動態(消失、出現、数の増加など)との相異がみられ、多彩な組織像の発現に内分泌撹乱物質の影響の関与が示唆された。 2)再生過程における筋上皮細胞の分布や形態変化。ラットに舌下腺導管7日間結紮、結紮除去後3日目に新生未熟腺房がみられ、以後、急速に増加し、成熟した。アクチン陽性を示す筋上皮細胞は常に小型の残存導管、新生して間もない未熟な腺房、成熟した腺房を取り囲むように存在し、再生過程で筋上皮細胞の分布変化は小さいが、その形態は腺房の分化に応じて変化することが示唆された。 3)萎縮顎下腺におけるアポトーシスへのFas/Fasリガンドの関与。結紮後3-5日目に腺房は著しく減少し、多数のアポトーシス小体がみられた。7日目以降、残存した腺房は僅かで、導管は多く残存し、Fas陽性を示す腺房細胞とFasL陽性を示す導管細胞が3-5日目に比較的多く認められたが、以後、ともに減少傾向を示した。筋上皮細胞は、顎下腺では萎縮再生ともやや高い増殖活性を示した。筋上皮細胞の動態は腫瘍の多彩性に影響を与えることが示唆された。ラット萎縮顎下腺におけるアポトーシスにはFas/FasL系が関与していることが示唆された。
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Research Products
(5 results)