2007 Fiscal Year Annual Research Report
メタゲノム解析アプローチによる口腔バイオフィルム感染症研究の新展開
Project/Area Number |
17390502
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
福井 一博 Okayama University, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (70034171)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
苔口 進 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 准教授 (10144776)
谷本 一郎 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (00280686)
高柴 正悟 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (50226768)
前田 博史 岡山大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (00274001)
狩山 玲子 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (40112148)
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Keywords | 細菌 / メタゲノム / バイオフィルム / 感染症 |
Research Abstract |
う蝕や歯周病の口腔バイオフィルムを構成する細菌叢は多くの培養が困難で未知の細菌群から構成されており、その実態や病原性は不明のままである。 そこで本研究では、口腔バイオフィルムにおける難培養細菌群や未知の細菌群を含めて培養に依存しない細菌16SリボソームRNA遺伝子(16S rDNA)を指標とするメタゲノム解析という新しい分子遺伝学的手法を駆使して、様々な口腔細菌叢について包括的に解析を進めた。また歯周病巣から検出される古細菌の熱ショック蛋白(シャペロニン: HSP)についても検討し、今年度は、以下のような研究実績の概要である。 1)16S rDNAを指標に口腔内細菌叢を解析する方法としてクローンライブラリー法、PCR-変性剤濃度勾配電気泳動(Denaturing Gradient Gel Electrophoresis: DGGE)法に加えて、Terminal Restriction Fragment Length Polymorphism (T-RFLP、制限酵素末端断片長解析)法を確立した。化学療法前後における造血幹細胞移植患者の口腔内細菌叢変動について調べた結果、日和見感染菌や肺炎球菌などが口腔内に出現し、劇的に変動するB 2)重度な歯周炎病巣に検出されるメタン産生古細菌であるMethanobrevibacter oralisに大腸菌のGroEに代表されるHSPグループI型とは異なるHSPグループII型を見出し、現在、宿主との反応性を調べている。 3)狩山玲子の研究協力者であるモンタナ州立大学Philip S.Stewart教授からバイオフィルム研究最新技術を修得した。共焦点レーザー走査型顕微鏡を用いてバイオフィルム形成過程や阻害過程を三次元的にリアルタイムに解析できるモデル実験系は進化を遂げ、キャピラリーフローセル内でのバイオフィルム形成阻害に効果的な低分子化合物を特定した。
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Research Products
(6 results)