2006 Fiscal Year Annual Research Report
新規細胞外マトリックス因子を用いた歯根膜再生技術の開発
Project/Area Number |
17390510
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
斉藤 正寛 大阪大学, 歯学研究科, 講師 (40215562)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺中 敏夫 神奈川歯科大学, 歯学部, 教授 (60104460)
野崎 直仁 神奈川歯科大学, 歯学部, 講師 (70222198)
畑 隆一郎 神奈川歯科大学, 歯学部, 教授 (10014276)
清野 透 国立がんセンター, ウイルス部, 部長 (10186356)
関口 清俊 大阪大学, 蛋白質研究所, 教授 (50187845)
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Keywords | 発生 / 歯根膜 / 細胞外マトリックス / 再生 / 組織工学 / 靭帯 / 器官形成 / 微小線維 |
Research Abstract |
昨年度までの研究成果で新規細胞外マトリックスであるADAMTSL4が歯根膜に特異的に発現し、またオキシタラン線維の成分であることを証明してきた。そこで本年度はADAMTSL4が介するオキシタラン線維形成機構の解析を行った。ADAMTSL4はαとβの二種類のプロモーターの異なるisoformが存在する。そこでこれらのに分子を見分ける特異プローブを設計し、生後7日齢の歯根形成期歯胚を用いてin situ hybridization法で解析した。歯根形成期歯胚で、歯根膜の原基である歯小嚢での発現パターンを解析してみると、βフォームが歯小嚢に特異的に発現していることが確認された。興味深いことにβフォームの発現パターンは生後7日齢では歯小嚢に高発現するが、生後35日齢の歯根膜ではその発現が顕著に低下することが明らかとなった。この結果よりADAMTSL4βが歯根膜におけるオキシタラン線維形成に関与することが判明し、これらの分子は歯根膜形成期に発現し、成熟した歯根膜形成過程では発現が低下することが予測された。次にADAMTSL4βがオキシタラン線維形成に関わるか否かを解析するために同分子をMG63細胞に過剰発現させた。その結果、ADAMTSL4βはMG63細胞上で微小繊維用構造物を形成した。そして過剰発現細胞を免疫不全症マウスへ移植した結果、移植片内において歯根膜内で見られるオキシタラン線維と同様の繊維用構造物の形成が観察された。これらの結果よりADAMTSL4βがオキシタラン線維の構成因子であることが決定付けられた。次年度はADAMTSL4のオキシタラン線維形成機構を解析する予定である。
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Research Products
(6 results)