2007 Fiscal Year Annual Research Report
誤嚥性肺炎の予防に関する研究-不顕性誤嚥の診断法ならびに誤嚥性肺炎の予防法の確立
Project/Area Number |
17390544
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
高橋 浩二 Showa University, 歯学部, 教授 (40197140)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宇山 理紗 昭和大学, 歯学部, 講師 (40307054)
平野 薫 昭和大学, 歯学部, 助教 (00384355)
綾野 理加 昭和大学, 歯学部, 助教 (50297016)
山下 夕香里 昭和大学, 歯学部, その他 (50260906)
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Keywords | 誤嚥診断 / 嚥下音・呼吸音 / 加速度ピックアップ / 音響分析 |
Research Abstract |
誤嚥診断のため開発した嚥下音・呼吸音解析システムは臨床現場の周囲騒音の影響をさけるため嚥下音・呼吸音の検出器として加速度ピックアップを用いて構成している。加速度ピックアップを利用することにより嚥下音・呼吸音検出時に周囲騒音が混入することを防ぐことが可能となったが、検出音響信号の音質はマイクロホンより劣り、頸部皮膚上に検出器を貼付するため、頸部や衣服との擦過音が混入しやすい。そこで本年は嚥下音・呼吸音の検出精度を向上させるため、複数のマイクロホンを用いて検出器を作製するとともに適応信号処理騒音抑制技術を導入し、擦過音と周囲騒音を抑制し、かつ音質の優れた検出音を獲得しうるシステムを構築することを目的として研究を進めた。 今回作製した検出器は2つのマイクロホンを剛に隣接させて、片方の嚥下音・呼吸音解析システムを遮音材で囲み、擦過音以外の音響信号は入力されない構造とし、もうa方のマイクロホンの出力信号から遮音マイクロホンの出力信号を差し引くことで擦過音が抑圧される検出システムとした。 本検出器の有効性についての検証実験では擦過音を模擬したパルス状の振動を振動素子より検出器に与え、同時に嚥下音・呼吸音の代替音響信号として中心周波数が100[Hz]の1/3オクターブバンドノイズを用いて両信号の検出実験を行った。その結果、擦過音は1〜41SHZの周波数帯域において10[dB]程度抑制され、中心周波数100[Hz]の1/3オクターブバンドノイズは抑制されないことがわかった。続いて、外来騒音を抑制するために適応信号処理を本検出器に導入し、外来騒音の模擬音として音圧レベル100[dB]の白色雑音、検出対象音として心音を用いて本システムの挿制効果を検討した。その結果、白色雑音は100〜1000Hzの周波数帯域において20[dB]程度抑圧されることが明らかとなり、心音は聴覚的に明瞭に聞くことが可能であった。
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Research Products
(3 results)