Research Abstract |
1.産後プログラムの実施と評価 [目的]産後の運動プログラムのメンタルヘルスへの効果を検証する。[方法]参加同意者をランダムに介入群と対照群の2群に割付け,プログラムを実施した。 (1)内容:集団指導(参加型)ボールエクササイズ,1回1時間30分,週1回(全4回) (2)介入群:産後3か月頃にプログラムを実施,対照群:産後5か月頃にプログラムを実施 (3)評価時期:産後2か月(ベースライン),4か月,6か月 (4)調査内容:属性,運動習慣,既往,現病歴,喫煙,飲酒歴,エジンバラ産後うつ病自己評価票(EPDS),自尊感情尺度(SE),自覚症調べ(蓄積疲労度),睡眠状況(VAS),健康関連QOL尺度(SF36),妊婦身体活動質問紙(PPAQ) [結果,考察]応募者120名,適格者110名,運動群への割付54名,うちクラス参加者46名,クラス出席率84%,対照群への割付56名,分析対象(調査票があるもの):運動群50名,対照群51名産後4か月時調査の結果:EPDSスコア(カットオフ8/9)で,2群間に差はなかった。運動群が対照群に比較して,SE尺度得点およびSF36の活力得点が上昇した(P<0.05)。身体活動量はベースライン時と比較し,運動群で,中等度の運動,スポーツ,運動の活動量が増加し(p<0.05),全体の活動量が増加する傾向にあった。対照群では反対に軽度の運動,家事,育児の活動量が減少し(p<0.05),全体の活動量が減少する傾向にあった。産後3か月での運動プログラムの効果として,抑うつ症状を軽減する効果は認められなかったが,健康関運QOLおよび身体活動量の結果から,健康増進効果が示唆された。 2.国際比較のための基礎データ収集 [目的]日本語版とベトナム語版の妊婦身体活動質問紙(PPAQ)の開発,信頼性,妥当性を検証し,基礎データを得る。 [方法]日本語版とベトナム語版のPPAQを作成し,日本在住の日本人妊婦29名,ベトナム在住のベトナム人妊婦60名での再現性,歩数計,アクチグラグフを用いた基準関連妥当性の検証を行った。 [結果,考察]級内相関係数は日本語版0.76,ベトナム語版0.88,歩数計とのピアソン積率相関係数は日本語版0.48,ベトナム語版0.29で有意な関連がみられ,信頼性,妥当性が確認された。アクチグラフでの相関係数は0.27で米国での報告に近い値であったが有意ではなかった。1.5MET以上の活動合計(1回目,2回目中央値;MET,時間/週)は日本人87.3,100.8,ベトナム人71.4,55.5で,米国での報告25.2に比べて,活動量が多いことが示唆された
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