2006 Fiscal Year Annual Research Report
慢性呼吸不全患者の廃用性生活動作障害への運動によるアプローチ
Project/Area Number |
17390581
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
松尾 ミヨ子 大阪府立大学, 看護学部, 教授 (10199763)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中塘 二三生 大阪府立大学, 看護学部, 教授 (50079125)
池田 由紀 大阪府立大学, 看護学部, 助教授 (80290196)
伏田 香津美 大阪府立大学, 看護学部, 助手 (50405338)
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Keywords | 運動継続 / 慢性呼吸不全患者 / ADL |
Research Abstract |
<目的>肺気腫、慢性気管支炎、肺結核後遺症などの慢性呼吸器疾患で、急性増悪により入院治療を受けている患者の在宅復帰準備段階と在宅での活動状況を明らかする。また入院中に指導されたリハビリでの運動継続指導が、在宅でそのように実行されているか、または実行を阻む要素は何かを、自宅訪問をすることで明らかにする。 <方法>本年度、研究代表者は所属機関の異動に伴う新たな研究協力機関や新たな対象者の開拓を余儀なくされた。そのため、研究協力機関や研究対象者から研究目的、方法についての理解をもらう広報活動にかなりの時間を要することになった。患者自宅へのアクセスは、患者が治療を受けている病院の院長、看護部長の承諾を得る必要があり、また病院のリハビリ担当者、看護師、主治医との連携・協議が重要となるため、まず研究への協力体制の充実化を図った。新たな慢性呼吸不全患者フィールドの開拓に関しては、大阪府の慢性呼吸不全患者会と在宅酸素療法支援企業と接触し、研究の目的、意義の説明会を催した。また、本大学に併設される療養学習支援センター企画として、慢性呼吸不全患者を対象に、「HOTの集い」(在宅酸素療法を受けている患者との2ヶ月に1回の学習会)、「息々クラブ」(呼吸不全の患者矢高齢の健常者を対象とするストレッチ中心の体操クラブ)を実施し、患者教育としての機能性、運動支援の際の考慮点、問題点、自宅訪問を容易にする因子などを分析した。さらには、在宅での運動支援として、リハビリで指導されている運動内容の継続(歩行が中心)、活動状況に関する有効客観的指標についても、患者会活動を促進する役割の中で、効果的な方法、指標についての示唆を得る試みをした。 <結果>各病院に設置される研究計画審査会などで了承を得るなど、協力病院を数箇所確保でき、慢性呼吸不全患者の主治医、看護師、リハビリ担当者の協力が得られることが確実となった。在宅訪問に関しても、病院からの協力で該当の患者と入院中から接触を持つことが可能となった。患者会からは、慢性呼吸不全患者の高齢化、患者会への関心の低下など、慢性呼吸不全患者の介護支援対策の必要性を強く感じる、そのためにADLの低下予防により患者が積極的であるべきなど、本研究の意義を理解できるという意見をもらった。 <検討>慢性呼吸不全患者への運動支援をねらう本研究の目的に沿って、自宅での運動(足踏み、ゴム体操など)のためのプログラムは、自宅での運動を支える環境(物理的な運動環境、家族支援)の充足度、活動実態調査などは自宅訪問で、運動能力の測定、患者の呼吸機能などは、病院の協力と病院の場所を借りるなど、これからの調査・測定の準備が整ったところである。
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