2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17401032
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
宮武 公夫 Hokkaido University, 大学院・文学研究科, 教授 (50291993)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
桑山 敬巳 北海道大学, 大学院・文学研究科, 教授 (50288057)
権 錫永 北海道大学, 大学院・文学研究科, 准教授 (40301858)
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Keywords | 博覧会 / 人類学 / 近代 / アイヌ / 日本 / 韓国:中国:米国:英国 / 国際情報交換 |
Research Abstract |
本年度における研究実績の概要は以下のとおりである。 宮武公夫(研究代表者)は、1904年セントルイス博覧会アイヌ関係資料の調査を、ニューヨーク自然史博物館、シカゴ大学図書館スペシャル・コレクション、シカゴ・フィールド博物館、セントルイス歴史学協会、カリフォルニア大学リバーサイド校写真博物館、オレゴン大学図書館スペシャル・コレクションなどでおこない、セントルイス博覧会アイヌ写真資料について、ほぼ全体像をつかむことが出来た。このセントルイス博覧会関係アイヌ写真資料については現在解析を進め、現在まで確認できた全ての写真についてのデータベースを作成中である。また、シカゴ大学図書館のスター関係資料(日記、書簡、フィールドノートなど)に関しては、膨大な資料であるため、本年度は概要を調査するにとどまったが、今後も調査を継続する予定である。また、ニューヨーク、セントルイス、シカゴの調査には、セントルイス博アイヌ参加者の孫娘にあたる調査協力者に同行していただき、自然史博物館ではアイヌ参加者の石膏製の胸像を3体発見し、シカゴのフィールド博物館では、アイヌ参加者が製作したと考えられる二つのテクンペ(手甲)を確認することが出来た。これらの写真や工芸品は、博覧会でのアイヌ参加者と他の先住民、米国人、日本人(和人)との広範な接触と、ハイブリッドな作品の製作を示唆しており、今後も類例の調査と様式、技術、来歴などについて調査をおこなう。また、桑山敬巳は、展示の本体だけでなく、展示と並行して設けられている売店や、そこでの販売品ゃ販売用品の展示についての調査を行った。さらに権錫永は、韓国における博覧会関係資料の調査を韓国国会図書館や中央図書館においておこない、資料のデータベール化を行っている。これらの成果は、いくつかの雑誌論文として発表されただけでなく、国際シンポジウムを含む学会発表などで公開された。また、米国調査に関しては、北海道新聞において、「セントルイスの九人」として連載され紹介された。
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Research Products
(7 results)