2005 Fiscal Year Annual Research Report
熱帯熱マラリアのワクチン候補抗原SERAの分子疫学的研究
Project/Area Number |
17406010
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
川本 文彦 大分大学, 総合科学研究支援センター, 教授 (40115556)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀井 俊宏 大阪大学, 微生物病研究所, 教授 (80142305)
北 潔 東京大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (90134444)
高岡 宏行 大分大学, 医学部, 教授 (00094152)
神戸 俊夫 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (50093018)
福田 昌子 大分大学, 総合科学研究支援センター, 助手 (00156788)
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Keywords | 国際研究者交流 / ミャンマー:インドネシア:ベトナム:カンボジア / ヒトマラリア原虫 / 熱帯熱マラリア原虫 / 分子疫学的調査 / SERA / ワクチン抗原 / 遺伝子解析 |
Research Abstract |
ミャンマー、ベトナム、カンボジア、インドネシアにおいてアクリジンオレンジ(AO)法によるマラリア迅速診断法を用いて、マラリアの分子疫学調査を実施した。これらの国から得られた熱帯熱マラリア原虫の野性株を用いて、SERA抗原遺伝子の分子疫学的遺伝子解析を行った。 (1)7月にミャンマーを訪問し、ヤンゴンマラリアセンターにおいてマラリア患者の診断を行った結果、多数の熱帯熱マラリア原虫の野生株が得られた。 (2)インドネシアでは、フローレス島、東ヌサテンガラ州シッカ県ならびにエンデ県、およびスラウェシ島、北スラウェシ州ミナハサ県において疫学調査を行い、多数の熱帯熱マラリア原虫野生株を得た。 (3)9月にベトナムのラムドン省バオロックを訪問したが、マラリアは既に消失しており、疫学調査は実施できなかった。 (4)同じく9月にカンボジアを訪問し、モンドュルキリ州でのマラリア調査を試みたが、雨季の悪路のため、最もマラリアの流行の激しい地域を訪問できなかった。また、道路事情の良い村ではマラリアの激減が顕著で、ここでも少数の熱帯熱マラリア原虫野生株しか得られなかった。 これらの疫学調査で得られた熱帯熱マラリア原虫の野生株のうち、インドネシアから得た熱帯熱マラリア原虫のSERA抗原遺伝子の遺伝子解析を行った結果、従来の観察結果と同じく、インドネシアから得た熱帯熱マラリア原虫はFCR-3型が圧倒的に多くを占めており、残りはK-1型で、Honduras-1型は認められなかった。また、FCR-3型の新しいハプロタイプが多数検出され、先に報告した分布と同じような分布が認められた。
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Research Products
(2 results)