2005 Fiscal Year Annual Research Report
トランスジェニックマウスによる、アストロサイト群が作るコンパートメントの形態解析
Project/Area Number |
17500239
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
佐々木 宏 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (10014177)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
早川 亨 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (60322484)
本多 祥子 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (40287313)
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Keywords | トランスジェニックマウス / アストロサイト / GFAP / transgene / 融合タンパク質 |
Research Abstract |
まず、融合タンパク質発現ベクターの作製をめざした.ヒトGFAP promotor sequence(2.2kb)をプラスミドpEGFP-1(Clotech)のmultiple cloning site(BgIII/SalI)に挿入し、GFAP-EGFP配列が挿入されたプラスミドをBglIII/AflIIで切断しSV40polyAを含むtransgeneを単離することを試みた.ヒトGFAP promotor sequence作成に意外と時間を要し、またプラスミドもいくつかの種類を試してみた.最終的にはプラスミドpEGFP-1に挿入することができた.得られたtransgeneをリポフェクションによりGFAP陽性細胞であるhuman anaplastic glioma cell line(U343MG)にトランスフェクトし1週間程度培養後,蛍光顕微鏡下でGFAP-EGFP融合タンパク質が機能的に発現しているかの確認を行った.現在U343MG細胞での発現はうまくいかず、他のいくつかの細胞株を用いて試行錯誤している段階である.すでにこのタイプのトランスジェニックマウスは市販されており,私どももJackson Laboratory社から入手し、共焦点レーザー顕微鏡による予備観察をおこなった.観察の結果,蛍光はアストロサイト群に均一には発現しておらず,脳幹・小脳・脊髄では比較的均一に発現している傾向があった.特に白質では個々の細胞がよく識別され、細胞体から伸び出している細長い突起が観察できた.灰白質では細胞群が蛍光を発現しているため、神経核の輪郭は比較的よく識別できた.小脳皮質にあるバーグマングリア細胞の突起がよく識別できた.しかし、間脳・大脳皮質になるとムラが多く,まだらに蛍光が発現していた.従って,私どもの目的にかなった実験動物を作製するために,ある程度試行錯誤しなければならないと考えている.
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