2005 Fiscal Year Annual Research Report
ENU誘発突然変異マウスを用いたミトコンドリア疾患モデルマウスの探索
Project/Area Number |
17500295
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
金田 秀貴 独立行政法人理化学研究所, 動物ゲノム変異開発研究チーム, 研究員 (00214479)
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Keywords | マウス / ENU / ミュータジェネシス / ミトコンドリア / 疾患モデル |
Research Abstract |
本プロジェクトでは、ヒト疾患モデルや遺伝子機能解析のモデルとなる突然変異体マウスを作製するためENU(N-エチル-N-ニトロソウレア)ミュータジェネシスを行い、個体レベルでの大規模な網羅的表現型スクリーニングが構築し、これまでに多くの突然変異体を見出してきた。本研究は核遺伝子変異に起因したミトコンドリア機能異常を探索すべく新規スクリーニング系を確立し、ミトコンドリア疾患モデルマウスの開発を目的とする。 ミトコンドリア病は細胞レベルでミトコンドリアの機能異常を本態とし、組織・臓器レベルで臨床症状を発症している病気の総称であり、(1)中枢神経系・感覚器などの所見、(2)血中乳酸値測定、(3)筋組織化学的検査、(4)遺伝子診断により診断が下される。新規スクリーニング系を導入するためには(2)と(3)を確立する必要がある。(2)血中乳酸値測定に関しては、乳酸値簡易測定キットを用いて、これまでに8〜35週齡の血中乳酸値の水準化を図るに至った(35週齡以降も継続実施中)。現在、運動負荷後のミトコンドリア機能の観察を目的とし、強制運動装置(トレッドミル)により運動を負荷させ、その後の乳酸値を経時的に測定している。(3)筋組織化学的検査に関しては、ミトコンドリアを効率的に観察すべく最適な三筋(前脛骨筋、長指伸筋、ヒラメ筋)を凍結ブロック法により固定し、ヘマトキシリン・エオジン染色、ゴモリトリクローム変法、チトクローム酸化酵素活性、コハク酸脱水素酵素の計4種の方法により、筋線維の分類と分布、ミトコンドリアの基本構造、そして機能を観察する。これまでに300個体を超える試料を凍結保存するに至っており、染色の準備が整い次第、順次に順次に切片作製・染色を実施する予定である。
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Research Products
(5 results)