2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17500415
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
野村 純 千葉大学, 教育学部, 助教授 (30252886)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉本 信也 千葉大学, 大学院・医学研究院, 助教授 (90220748)
下永田 修二 千葉大学, 教育学部, 助教授 (40279295)
杉田 克生 千葉大学, 教育学部, 教授 (40211304)
野崎 とも子 千葉大学, 教育学部, 助手 (80125947)
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Keywords | 酸化ストレス / メカニカルストレス / 培養ヒト線維芽細胞 / 伸展培養 / cDNA array / プロテオーム解析 / 細胞骨格 / シャペロン分子 |
Research Abstract |
生体酸化は老化や発癌に関わる現象として重要である。我々は、生体において繰り返しメカニカルストレスを負荷することで8-OHdG等の酸化代謝物の量が減少する可能性を報告している(Annual.Grav.Phys.2001)。そこで細胞レベルでのメカニカルストレス負荷と酸化ストレス応答機構との関連について解析を試みた。培養ヒト線維芽細胞をコラーゲンコートしたシリコン膜上に播種し、シリコン膜を伸展することでメカニカルストレス負荷を行った。この細胞における伸展刺激有無での酸化ストレスへの応答を種々の濃度の過酸化水素水を添加し時間経過を追って解析した。細胞内の遺伝子レベルおよび分子レベルの変化をcDNA array法および抗体パネル(シャペロン分子、MAPKファミリー分子、Rhoファミリー分子、Cell cycle制御系分子、細胞骨格構成分子等を含む)を用いてのプロテオーム解析により調べた。この結果、培養ヒト線維芽細胞では酸化ストレス負荷によりtubulinの発現レベルが顕著に減少することが明らかとなった。一方、actinは減少するものの、tubulinの減少割合の60%程度であると推測された。またシャペロン分子の発現量の増加が認められた。中でも小胞体ストレスに関与するGRP78の増加がもっとも顕著であった。ここに伸展刺激を加えると興味深いことにtubulinの発現量の減少が酸化ストレス単独負荷に比べ50%程度に抑制されるとの知見を得た。さらに、シャペロン分子の増加も認められなくなることが解った。これらの結果より伸展刺激は個体のみならず培養ヒト線維芽細胞のレベルにおいても酸化ストレスに対して抵抗性を誘導する可能性が示唆された。今後さらに、これらの解析結果を詳細に検討し、伸展負荷による細胞内変化を明らかにしていく。
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Research Products
(3 results)