2007 Fiscal Year Annual Research Report
高齢者身体機能向上の生理学・生化学的研究-運動および栄養療法の併用効果の検討
Project/Area Number |
17500474
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
高田 真吾 Okayama University, 医学部・歯学部附属病院, 助教 (80379750)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
光延 文裕 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 准教授 (10239288)
芦田 耕三 岡山大学, 医学部・歯学部附属病院 (70291474)
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Keywords | 高齢者 / 慢性閉塞性肺疾患 / 温泉療法 / 6分間歩行試験 / deconditioning |
Research Abstract |
高齢は種々の慢性疾患を合併することが多く、全身の予備も低下しているため、しばしば疾患の増悪・緩解を繰り返す。そのため、高齢者の健康維持には、単に慢性疾患の治療のみならず、全身状態の悪化(deconditioning)の改善が必要である。そこで本研究では平成17、18年度にわたり【研究1】全身状態の悪化を来たした高齢者の生理学的及び生化学的特徴、【研究2】高齢者の全身状態悪化に対する運動療法の改善効果、【研究3】高齢者の全身状態悪化に対する食事療法の改善効果について検討を行ってきた。現在慢性閉塞性肺疾患(COPD)は世界における慢性罹病率と死亡率の主要原因である。我々は三朝医療センターが温泉地に設置されているという利点を生かし、従来から温泉療法のCOPDに対する有用性について報告してきた。しかし温泉療法の運動耐用能に及ぼす影響に関する研究は多くない。そこで平成19年度は入院中のCOPD患者を対象に温泉療法の6分間歩行試験に及ぼす影響について検討した。温泉療法を施行し、呼吸機能検査では肺活量、1秒量等の改善が認められた。Borgスケール低下、労作時動脈血酸素飽和度改善、6分間歩行距離延長を認め、運動耐容能の改善傾向が見られた。またfluticasone、 procaterol、 tiotropium投与にもかかわらず労作時呼吸困難が続いていてたが、入院後温泉療法施行し労作時呼吸困難消失、呼吸機能、動脈血酸素分圧改善、6分間歩行距離延長を認めた症例を経験した。薬物療法にもかかわらず労作時呼吸困難を訴えるCOPD症例に対して、温泉療法を併用することが望まれた。以上のことから温泉療法が単にCOPDの治療のみならず、deconditioningの改善に有用であることが示唆された。
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Research Products
(8 results)