2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17500490
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kyushu University of Nursing and Social Welfare |
Principal Investigator |
佐藤 林正 九州看護福祉大学, 看護福祉学部・社会福祉学科, 教授 (30133341)
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Keywords | 健康づくり / 高齢社会 / 健康都市 / 健康づくり推進委員会 / our health |
Research Abstract |
先進諸国では、従来の狭い疾病予防対策から、高齢社会を見据えて積極的な健康づくり対策が最重要視されてきており、その一環としてわが国だけでなく、全世界的にも健康都市づくりが提唱され、1000以上の都市がhealthy cities projectsを実践してきている。本研究は、わが国の健康文化都市と欧米諸都市の健康づくり施策や動向に関して具体的に住民活動の側面から接近を図り、都市の健康生活を都市住民自らがどのように作り出しているかを検討するものである。 本年度の研究として、基礎的な資料収集とイギリス保健省での「Our health, Our care, our say」に関する取り組みと、ヨーロッパWHOにおける健康都市づくりの取り組みについての聞き取りおよび資料収集を実施した。また、国内においては、東京都あきる野市および西多摩保健所において住民活動に関する聞き取りと基礎的資料を収集した。さらに、国内の健康文化都市および県庁所在都市、人口10万以上都市の合計401都市に対する郵送調査を準備した。 まだ、3年間の研究の初年度なので十分な成果を得ていないが、これまでに判明した2・3点について言及することとする。 まず、イギリスでは、健康・社会サービスに関する特徴として、(1)「自立、ウェルビーイング、選択」を基本として個人化し多忙な生活に対処しようとしている。(2)4つの目標「早期介入と予防サービスの強化、選択と保障の拡大、不平等への取り組みとサービス利用利便性の改善、長期的ニーズを要する人への支援拡大」の提示、(3)改革の方法として、保険医利用サービスを予防の方向にシフトする、在宅ケアを重視する。地方レベルでの連携を強化する、などを目指している。 自治体レベルの活動として、あきる野市及び保健所の聞き取りから判明したことは、健康づくり市民推進委員会が設置され、健康リズム体操、健康の集い、健康づくり広報誌発行、健康○○21計画、地域生き生き元気づくり事業等、市民を中心とした健康づくり活動が展開されている点である。健康づくり活動のために理事会や委員会等が組織され、市の保健担当者や保健専門職の支援のもとに多様な活動が実施されている。実際に参加している人は増えているが、一方では、固定化や義務的参加もあるということであり、住民の自発的活動ということではまだ課題があると考えられている。
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