Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮瀬 美津子 熊本大学, 教育学部, 助教授 (10219785)
久保 加津代 大分大学, 教育福祉科学部, 教授 (50214987)
福原 美江 宮崎大学, 教育文化学部, 教授 (50094082)
倉元 綾子 鹿児島県立短期大学, 生活科学科, 助教授 (20225254)
浅井 玲子 琉球大学, 教育学部, 助教授 (10325821)
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Research Abstract |
九州・沖縄の教育委員会系研究会,公立学校,教職員組合などの組織・団体から1994〜2004年に発表された授業実践事例として,各県ごとに収集した1269事例から地域の生活課題や生活文化を取り上げた授業事例,368事例を確定し,基準1「学習方法に地域の視点があるか」,基準2「学習内容に地域の視点があるか」,基準3「自身の生活を見つめ,子どもの生活課題に気づく視点があるか」,基準4「地域や社会を見つめ,そこでの生活課題に気づく視点があるか」,基準5「地域を変える視点があるか(消費者運動・生活者主権者意識・地域再生の視点など)」の視点で分析し,次の2つの研究課題を遂行した. 【研究課題1】基準1〜5についてクロス集計した結果,(1)地域関連事例は食物領域が約半数を占めていた.(2)基準2の該当事例は約6割,基準3と5は1割弱、基準4は3割弱であった.(4)校種別に基準2〜5の該当割合をみると,全基準で中学校が高かった.一方,高等学校は基準3,5で小学校よりも低かった.(5)地域関連事例の多い食物や保育では基準2〜5の該当割合が低く,特に基準3〜5ではその傾向が顕著であった.一方,環境や住居では,各基準で該当割合が高く,自身の家庭や地域の生活を見つめ,生活課題に結びつけた実践が試みられていた. 【研究課題2】基準3に該当した事例を取り出し,該当しなかった事例と対比させながら,「学習者自身の生活との関わり」の視点から、家庭科教育で地域学習を展開する上での課題を検討した.その結果,(1)地域の素材(学習対象)と学習者自身との関連把握に対する視点が欠如していること.(2)表面的・形式的な課題解決に終わっていることが明らかとなった. これらの成果は第50回日本家庭科教育学会において口頭発表し,日本家庭科教育学会誌に投稿する予定である. 次年度は,368事例のなかから基準2,4,5に該当する事例を取り出し,地域の「生活文化」「生活課題」の内実を事例的に分析するとともに,3年間の成果を報告書として取りまとめる予定である.
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