2006 Fiscal Year Annual Research Report
食餌応答性の高い肥満動物モデルの構築と抗肥満作用を有する食餌因子の探索
Project/Area Number |
17500549
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Research Institution | Otsuma Women's University |
Principal Investigator |
青江 誠一郎 大妻女子大学, 家政学部, 助教授 (90365049)
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Keywords | ob / +マウス / 脂肪組織 / 脂肪細胞 / レプチン / db / +マウス / レプチン受容体 / STR / Ortマウス |
Research Abstract |
実験III:レプチンノックアウトマウスのヘテロ型(ob/+)とワイルド型(+/+)マウスの食餌応答性の比較 ob/+および+/+雄マウスにAIN-93G標準食または高脂肪食を摂食させた。脂肪組織重量と脂肪細胞のサイズ、血清・肝臓脂質を評価した。その結果、いずれのマウスも感度良く飼料の影響が評価できた。本マウスでは遺伝子の因子よりも高脂肪食の影響が強いことが示された。 実験IV:ヘテロ型(ob/+)とワイルド型(+/+)マウスを用いた食品素材の評価 実験IIIの結果を踏まえて、高脂肪食を対照食として選定した。実験IIIと同一条件で,大豆リン脂質、卵黄リン脂質を評価した結果,両リン脂質は脂肪細胞の肥大化を抑制した。また,遺伝子の違いによってアディポサイトカインの分泌などが異なることが示された。 実験V:レプチン受容体ノックアウトマウスのヘテロ型(db/+)とワイルド型(+/+)マウスの食餌応答の比較 C57BL/6Jのバックグランドを持つdb/+マウスを作成し、食餌応答性を比較した。その結果、db/+マウスの方がヘテロ型とワイルド型との差が大きく、高脂肪食においてその差が大きかった。以上の結果、C57BL/6J系のマウスを用いた肥満モデルを考える場合、高脂肪食をdb/+マウスに与えて評価する方法が感受性の面で優れると判断した。 実験VI:新規な肥満モデルマウスとしてのSTR/Ortマウスの評価 自然発症変形性膝関節症モデルであるSTR/Ortマウスを評価した。C57BL/6J(+/+)マウスならびに2型糖尿病モデルとして知られているKKマウスと食餌応答性を比較した。その結果、STR/Ortマウスは通常食においても太りやすく、高脂肪食に対する感度も良かった。脂肪組織の重量や脂肪細胞の平均サイズは、STR/Ortマウスが他の2系統に比べて有意に大きく、脂肪細胞が肥大化しやすいことが認められた。
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