2007 Fiscal Year Annual Research Report
食餌応答性の高い肥満動物モデルの構築と抗肥満作用を有する食餌因子の探索
Project/Area Number |
17500549
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Research Institution | Otsuma Women's University |
Principal Investigator |
青江 誠一郎 Otsuma Women's University, 家政学部, 教授 (90365049)
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Keywords | C57BL / 6Jマウス / KK / Taマウス / 脂肪組織 / 腹腔内組織 |
Research Abstract |
実験VII C57BL/6JマウスとKK/Taマウスを用いた機能性食品素材の評価 実験VおよびVIで評価した結果より、B6系db/+マウスならびにKK/Taマウスの特性が把握できた。本実験ではB6db/+マウスの繁殖が間に合わなかったため、C57BL/6JマウスとKK/Taマウスを用いて、機能性食品素材の評価を行った。機能性食品素材として、α-リポ酸,サイリウム、αGヘスペリジンを選択した。 その結果、α-リポ酸は,KKマウス、C57BL/6Jマウスにおいて内臓脂肪の蓄積抑制ならびに肥大化抑制作用を有することが認められた。メカニズムとして、α-リポ酸は、AMPKの代謝を介して脂肪組織に作用すると推定された。サイリウムは、脂質・糖質の吸収を遅延または抑制し排泄する作用によるものが主体であると考えられ、胆汁酸代謝の関与も推定された.αGヘスペリジンは、KKマウスのみに肝臓脂質蓄積抑制が認められ、腹腔内脂肪蓄積には2系統の肥満モデルマウスでは有効性は認められなかった。 KKマウスとC57BL/6Jマウスの系統差比較から、成長結果、臓器重量と脂肪細胞のサイズ、血清インスリン濃度、肝臓コレステロール蓄積量について交互作用が有意であったことから、飼料摂取量や脂肪蓄積と肥大化に及ぼす機能性食品素材はKKマウスとC57BL/6Jマウスで応答性が異なっていた。効果の感度がそれぞれ違うため、目的に応じて系統の違うマウスを選定するべきであると考えられた。KKマスは、高脂肪食により腹腔内脂肪を蓄積し、軽度肥満をると高血糖,高脂血症,高インスリン血症,高レプチン血症など、血清異常になった。そのため、素材の効果を血清マーカーで評価することができ、メタボリックシンドロームに関連した脂肪細胞の機能異常を調べるのにも適していると判定した。C57BL/6Jマウスは、高脂肪食により肥満を呈するが、8週間飼育程度では血清に異常をきたすまで悪化しないが、脂肪細胞の肥大化の進行をみるには感度がよいと考えられた。
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Research Products
(1 results)