2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17510230
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
田間 泰子 大阪府立大学, 人間社会学部, 教授 (00222125)
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Keywords | 家族計画 / 助産婦 / 大阪府 |
Research Abstract |
年度の前半は、東京において中小企業などへの家族計画指導に関する資料、および関連団体での調査を行った。しかし、まとまった資料が得られず、インタビューを行ったものの、直接の関係者が亡くなっていたりした。また、計画当初にインタビューを予定していた方が亡くなられてており、福岡での調査においても手がかりとなる資料をあまり得ることが出来なかったことから、計画を変更せざるを得なくなった。そこで、文献資料の見直し作業を行い、新たな可能性を探った。年度後半には中小企業に絞らず大阪府内での家族計画指導関連資料を調査し、2月にようやく大阪府助産師会の協力を得られることとなった。その後、電話と面談による聞き取り調査、および資料提供いただいている途中である。大阪府での調査によって判明したことは次のとおりである。家族計画指導は六つのルートで行われた。第一に優生保護相談所が行政の一環として行った生活保護世帯と非課税世帯への指導である。これは、大阪府助産婦会(当時)を通して各地の助産婦に委嘱された。第二に開業助産婦の場合、出産を担当する妊産婦に家族計画指導をしている。第三に家族計画指導が1959年度以降に児童局母子衛生課の所轄となったことから、助産婦が保健所から新生児の訪問指導を委嘱された際、それとは予算措置は別個であるが家族計画指導を行った場合がある。第四に、保健所が行う新婚用学級や母親学級で、家族計画指導が行われた。第五に、企業から企業内指導を委嘱された場合がある。第六に1960年代から主流となっていく病院出産の場合、助産婦が家族計画指導を退院時もしくは一ヶ月検診時に行った可能性がある。しかし、その主流となっていった出産様式においては、病院が家族計画指導をどれほど重視するかによって指導内容にかなりの軽重があったようである。以上、平成18年度は当初の予定を見直さなければならなかったため研究発表に至らなかったが、来年度につながる資料と聞き取りデータは得られた。
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