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2007 Fiscal Year Annual Research Report

戦後日本における少子化と家族計画運動

Research Project

Project/Area Number 17510230
Research InstitutionOsaka Prefecture University

Principal Investigator

田間 泰子  Osaka Prefecture University, 人間社会学部, 教授 (00222125)

Keywords家族計画 / 産児調節 / 受胎調節実地指導員
Research Abstract

当初の計画(2)大阪府下での受胎調節実地指導に関する調査を行った。大阪府助産師会の仲介により、1960年代から70年代に助産婦として受胎調節実地指導に関わった入々合計10入に単独のインタビュー調査、15人に集団でのインタビュー調査をした。また、そのうちの一人の紹介で、民間の産婦人科病院でもインタビューおよび資料収集を行うことができた。この民間病院・助産師会・大阪府公文書館等のほか、計画(4)の出張先および法政大学大原社会問題研究所の所蔵資料調査、大阪府立中之島図書館所蔵の大阪府史料によって、戦後および戦前の低所得者層や男働者運動団体による産児調節運動の資料、保健所が受胎調節指導員に依頼して行った家族計画指導、民間病院その他で行われた助産婦対象の受胎調節指導員養成とそれにともなう意識調査その他の資料が得られた。日本家族計画協会刊行の「家族計画」、同協会の所蔵資料、国立公衆衛生院で家族計画に携わった久保秀史氏に寄贈していただいた諸資料からは、大坂府に限らず全般的な指導状況に関する情報が得られた。得られた知見は下記のとおり。(1)主たる指導ルートは保健所を通じ助産婦会に依頼、助産婦会が人員を推薦して指導員とし、1960年代半ばには府内全域に分散し数百名活動していた。指導員は熱心かどうかの差が大きく、それが指導に関する大きな地域差を生んだ。(2)1960年代半ばには分娩の場所が病院・診療所に移行したため、地域での助産婦による指導は従来のようには行えなくなった。しかし、病院・診療所ではそれに匹敵する熱意によっては行われ得なかった。(3)保健所による指導は、インタビューによって戦前の保健所および保健婦のあり方と関連していることが判明した。大阪府には大正から昭和にかけて妊産婦指導を熱心に普及した歴史があったからである。また、安全で安価な分娩と産児調節を求めて労働者運動が行われ、いくつかの労働者運動系の産児調節相談所(のち弾圧)が活動したほか、一部の在阪企業は地域の助産婦と出産に関する協力関係を結んでいたことも明らかになった。

  • Research Products

    (1 results)

All 2007

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] 「近代家族」とボディ・ポリティクスという関係性からみた保健・医療への提言2007

    • Author(s)
      田間 泰子
    • Organizer
      日本母性衛生学会学術大会
    • Place of Presentation
      つくば国際会議場
    • Year and Date
      2007-10-11

URL: 

Published: 2010-02-04   Modified: 2016-04-21  

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