2005 Fiscal Year Annual Research Report
スターリン体制下の地域コミュニティ活動とミクロ公共圏に関する研究
Project/Area Number |
17520498
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
松井 康浩 香川大学, 法学部, 教授 (70219377)
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Keywords | 国際研究者交流 / ロシア / 公共圏 / コミュニティ / モスクワ / 1930年代 / スターリン体制 / 目常生活 |
Research Abstract |
平成17年度は、1930年代におけるモスクワ住宅協同組合の「文化生活活動」の実態にかかわって、とりわけモスクワのフルンゼ地区の住宅協同組合が展開した「自主運営食堂」事業に絞って考察を進めることを予定した。そこで、モスクワ出張を行い、所在するアーカイヴ及び図書館での資料収集作業やテーマの近い研究者との意見交換を実施するとともに、国内の関連する機関(北大スラブ研究センター、国会図書館など)での資料収集、及び関係学会の研究者との意見交換などを行った。特に、モスクワのアーカイヴ調査では、モスクワの自主運営食堂の監督官庁であった食糧供給人民委員部の資料を閲読し、貴重な情報を入手できた。また、テーマに関係する複数の新聞・雑誌を検討し、モスクワ住宅協同組合の活動実態に関して資料的に補強することができた。 以上のような作業を受けて、平成17年度には、その成果を発表する複数の機会をえた。特に、平成18年3月17日に北海道大学スラブ研究センターで行われた21 Century COE Seminar: "Problems of Russian, Soviet and Post-Soviet History"で、"Stalinist Public or Communitarian Project?: Housing Organizations and Self-managed Canteens in Moscow's Frunze Raion"と題した研究報告を行った。なお、この際に提出したペーパーを、欧米の学術専門誌に投稿することを予定している。 平成18年度は、今年度のモスクワ出張時に利用できなかった科学アカデミー図書館で補足の資料調査を実施するとともに、研究課題の完成作業を行う予定である。
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