2006 Fiscal Year Annual Research Report
「ソーシャル・キャピタル論」の政治思想史上の意義の解明
Project/Area Number |
17530096
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
辻 康夫 北海道大学, 大学院公共政策学連携研究部, 教授 (20197685)
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Keywords | ソーシャル・キャピタル / 政治理論 / デモクラシー |
Research Abstract |
本研究の目的は、ソーシャル・キャピタル論を政治思想としてとられた場合に、それが過去および現在の主たる理論とどのような関係に立つかを解明することである。このために、中間団体や小集団をあつかう政治理論をひろく視野におさめ、それらの脈絡を解きほぐしてゆくことが必要になる。18年度は、昨年度に引き続き、本研究で用いる資料・文献についての目録を作成するとともに、これらを収集することにつとめた。第二に、北米における現在の政治理論について検討したが、とくに昨年度に引き続き、先住民、移民、言語的少数派などの処遇をめぐる多文化主義の議論との交錯について検討をおこなった。昨年度の作業において、多文化主義の議論においては、一方で、対面的人間関係が重視され、ソーシャル・キャピタル論との重なりが大きい反面、他方において、両者の間に衝突を見る考えも有力に主張されているところがわかったが、本年度は、これを受けて、より具体的な争点において分析をおこなうべく、両者をとりまく政策上の論争、具体的にはアイデンティティと社会統合、排除と包摂、経済や福祉をめぐる論争との関係などについて、分析を行った。あわせて、現代のアソシエーション論の意義を長期の歴史的パースペクティブにおいて浮かび上がらすために、リベラリズムの潮流における公共圏、市民社会の概念の変遷史との連関をつける作業を開始しており、次年度もこれらの作業を継続するつもりである。
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Research Products
(1 results)