2006 Fiscal Year Annual Research Report
CVMによる在宅健康管理システムの便益評価、便益費用比較に関する研究
Project/Area Number |
17530207
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Research Institution | Kyoto University of Education |
Principal Investigator |
田岡 文夫 京都教育大学, 教育学部, 教授 (50144407)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
辻 正次 兵庫県立大学, 大学院・応用情報科学研究科, 教授 (90029918)
手嶋 正章 名城大学, 都市情報学部, 教授 (20145759)
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Keywords | 在宅健康管理システム / CVM(仮想市場法) / 便益評価 / 生活習慣病 / 医療費節減効果 / レセプト点検 |
Research Abstract |
1.平成18年度、当初の研究計画とその達成度 平成18年度の当初研究予定は、全国の自治体等に対する実地調査により在宅健康管理システムの導入済事例の事後評価または導入前事例の事前評価を行い、これによって得た拡大データの下での事例間比較、評価方法改善研究を進めることであった。しかし、平成18年度、便益評価の手法として同システムの医療費削減効果の測定という新たな方向性を得、研究計画を若干シフトさせる必要が生じたため、新事例の調査の実施は見合わせた。しかし取得済みデータの組み合せ変更等を通じての事例間比較、評価方法改善研究は実施し、内外の学会報告、学会専門誌への論文投稿を行ってきた。調査の実施という面では予定を変更、次項で述べる新構想の下での調査を実施した。 2.平成18年度、研究実績、その成果の概要 平成18年度、新たに構想したのは、在宅健康管理システムの便益評価をその医療費節減効果の測定によって行うことである。福島県西会津町役場健康福祉課の支援を得、同町国民健康保険加入者で、在宅健康管理システムの利用者と非利用者各々200名程度を無作為抽出、その平成14年から18年までの全レセプトを点検、両グループの医療費とその変化の傾向を調べた。その結果、全疾病に関しては、非利用者の医療費が利用者のそれを上まわるものの、糖尿病、循環器系疾患を中心とするいわゆる生活習慣病関連医療費に関しては、非利用者の医療費は利用者のそれを大幅に下まわることを明らかにした。この調査とそれによって得たデータの分析に平成18年度後半の6ヶ月を要し、年度末に一応の成果を得た。在宅医療の拡充という厚生労働省の新しい医療行政方針の下、その支援と補助の手段としての在宅健康管理システムの有効性を示唆するものとして、われわれの成果は一定の意義を有するものと考えている。
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Research Products
(7 results)