2005 Fiscal Year Annual Research Report
ノンバンクと銀行の戦略的提携に関わる理論的・実証的分析
Project/Area Number |
17530247
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Research Institution | Sapporo University |
Principal Investigator |
飯田 隆雄 札幌大学, 経済学部, 教授 (00193136)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡村 誠 広島大学, 大学院・社会科学研究科, 教授 (30177084)
井澤 裕司 立命館大学, 経済学部, 教授 (70222924)
新海 哲哉 関西学院大学, 経済学部, 教授 (40206313)
森 伸宏 奈良教育大学, 教育学部, 助教授 (40190996)
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Keywords | 消費者金融サービス / 寡占的競争 / 自由参入均衡 / 過剰参入定理 / 非対称情報 / 継続的寡占 / 次善的効率性 / 資金調達市場 |
Research Abstract |
研究発表で示した3編の論文を作成した。 第一論文では非対称情報下における消費者金融サービス企業の情報生産の問題を検討した。Default Rateの異なる2タイプの顧客が存在する。銀行はタイプを識別できず単一の利子率を提示する。消費者金融企業はタイプを識別でき異なった2つの利子率を提示できる。この2つの均衡における利潤を比較する。線形の資金需要関数と2次の費用関数の下で数値計算を行うことによって、消費者金融企業均衡の利潤のほうが大きいことが示された。このことは銀行が消費者金融企業からタイプの識別できる技術を購入するインセンティブが存在すことを示している。 第二論文は金融機関の過剰参入定理を検討した。従来の研究では、すべての企業が同一の費用関数をもつ同質的寡占産業における長期均衡の性質を分析している。本稿では、総ての金融機関が異なった費用関数を持つ寡占的競争下の異質的金融産業を考える。長期均衡は最も非効率的な金融機関の利潤がゼロとなる産業構造である。この時、この非効率的金融機関を取り去ることによって経済厚生が高まることを示した。この結果は同質的寡占産業において長期均衡における企業数は次善的効率的な企業数より大きいという過剰参入定理の拡張になっている。 第三論文は消費者金融機関の資金調達市場を明示的に考察したモデルを構成した。独占的に資金を供給する川上企業と資金を需要しそれを消費者に貸して利潤を得る川下の複数の消費者金融機関からなる継続的寡占産業を考える。川下企業の利潤がゼロになるのが長期均衡である。この時、均衡の川下企業数は経済全体の余剰を最大する企業数よりも少ないという過少参入定理が成立することを示した。
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Research Products
(3 results)