2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17530276
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
岡田 美弥子 Hokkaido University, 大学院・経済学研究科, 准教授 (30333587)
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Keywords | エンターテイメント / 事業間関係 / 海外進出 / ビジネスシステム / コンテンツ |
Research Abstract |
本研究の目的は,エンターテイメント・ソフト産業の国際競争力とは何かを明らかにすることである.この目的に沿って,本年度は,マンガビジネスの(1)国内事業と海外事業における事業間関係の変化(2)海外進出国による事業展開の違いに関する調査と分析を行った. 上記の(1)に関して,国内および海外のマンガビジネスの調査では,(1)インターネットの普及にともなうメディアの多様化,(2)コンテンツとしての事業領域の拡大と波及効果,(3)著作権保護に関する取り組みの強化が明らかになった.さらに,国内外での事業展開のタイムラグが縮小されていることも明らかになった.これらの変化に伴い,マンガビジネスの事業間関係では2つの構造的変化が発見された.1つは,プレーヤーが増加し,権利関係が複雑になった一方で,各プレーヤーの事業リスクが低減したこと,もう1つは,マンガビジネスで核となってきた大手出版社等が,従来はライセンスを行ってきた事業に進出し,独自の事業領域を拡大していることである. 上記の(2)に関して,進出国により,利用されるメディアや事業展開の順序に違いが観察された.たとえば,市場が成長している電子コミックの場合,日本では携帯向けがPC向けを大きく引き離しているのに対し,日本以外の国では,携帯向けよりもPC向けの需要が高い.これらの違いは,(1)メディアの利便性の違い,(2)流通の仕組みに代表される市場システムの違いによってもたらされたと考えられる. 本年度までの分析結果をまとめて,学会報告および論文発表をする予定である.
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Research Products
(1 results)