2005 Fiscal Year Annual Research Report
生殖医療現場における医療専門家と患者・妊婦との相互行為:知覚と表現
Project/Area Number |
17530393
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Meiji Gakuin University |
Principal Investigator |
西阪 仰 明治学院大学, 社会学部, 教授 (80208173)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高木 智世 筑波大学, 大学院・人文科学研究科, 専任講師 (00361296)
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Keywords | 生殖医療 / 会話分析 / 相互行為 / ビデオ / 産婦人科 / 医療専門家 / 医療クライアント |
Research Abstract |
本研究は、産婦人科の医療現場において医療専門家(医師、助産師、看護師)と医療クライアント(妊婦および患者)が実際にどのような相互行為を行なっているかについて、実際のやりとりをビデオに収め、それを書き起こし、言葉の使用、身振り手振り、視線の動きを詳細に分析することを通して、明らかにしようとするものである。初年度の2005年度は、もっぱらビデオデータの収集を行なった。9月より新たに白井千晶(東洋大学等非常勤講師)、小村由香(早稲田大学大学院)の2名を研究協力者に迎え、2つの助産院、3つの総合病院の産婦人科において、17のケース(妊婦健診11件、妊娠判定2件、異常妊娠の診察1件、外回転術の説明3件)、それに妊婦の自宅健診1件を加え、計18件のやりとり(医師と妊婦・患者、助産師と妊婦)をビデオに収録することができた(うち1件は録音のみ)。 一方、2004年度までに収集した、本研究と密接に関連するデータ(産科・婦人科外来、助産院での健診のビデオ)の整理、分析も行なった。代表者の西阪と研究協力者の川島理恵は、7月のInternational Pragmatics Conference(イタリアのリバ・デル・ガルダ)で、婦人科外来の患者(主訴は不妊)の質問に促された医師の説明の組み立てに関する分析を報告した。また、西阪と川島は、8月の国際エスノメソドロジー・会話分析学会(アメリカのボストン)において、助産院における指示実践の組織について(西阪)、婦人科外来における基礎体温表をめぐるやりとりの組織について(川島)、それぞれ分析を発表した。さらに、西阪、川島、それに研究分担者の高木は、2006年5月に開催予定の国際会話分析学会でそれぞれ発表する予定である。アメリカ社会学会により西阪の論文(産科医院における妊婦の超音波検査の組織の分析)が採択され、8月開催の年次大会で発表予定である。 3月には、本研究の中心的な分析視角である「会話分析」の創始者の一人であるGail Jefferson氏と、現在、会話分析者として一線で活躍しているPaul Drew氏より、会話分析の分析技術について助言を得る機会も持てた。今年度中に発表された研究成果は、すべて会話分析の基礎固めに関わるものである。
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Research Products
(6 results)