2007 Fiscal Year Annual Research Report
超高齢社会における広域合併が生活支援システムに与える影響に関する調査研究
Project/Area Number |
17530398
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Research Institution | Bukkyo University |
Principal Investigator |
浜岡 政好 Bukkyo University, 社会学部, 教授 (80066422)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡崎 祐司 佛教大学, 社会福祉学部, 教授 (40257803)
関谷 龍子 佛教大学, 社会学部, 講師 (80340470)
高橋 憲二 島根県立大学短期大学部, 保育科, 教授 (80206804)
佐藤 嘉夫 岩手県立大学, 社会福祉学部, 教授 (20073033)
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Keywords | 超高齢社会 / 広域合併 / 周辺地域化 / 生活施設の集約化 / 社会福祉協議会の再編 / 限界集落 / コミュニティ・ビジネス / 住民活動の二極化 |
Research Abstract |
2007年度は合併後の浜田市圏域の市役所、支所、社会福祉協議会、住民活動の現場を訪問し、聞き取り調査を実施した。この調査を通じて得られた知見は以下の通りである。 新浜田市は旧浜田市と旧那賀郡の三隅町、弥栄村、旭町、金城町の4町村の合併によって誕生したが、その合併方式は「浜田・那賀方式」と呼ばれ、旧町村単位に自治区を設け、自治区ごとに区長を置き、地域協議会を設置するという旧町村の自治機能を残存させユニークなものであった。この自治区の設置期間は10年で、区長や、地域協議会に一定の権限を付与している。周辺町村の不安感を少なくする合併方式として期待されていたが、合併した周辺の中山間地域住民のサービスの低下という不安感は消えていない。支所の職員は減っており、現状における周辺化は緩慢に進行している。10年後の自治区の見直しによって、この制度が維持されるかどうかについても住民は強い懸念を抱いている。 合併による大きな影響を受けていたのは行政サービスよりも社会福祉協議会の事業や活動であった。社会福祉協議会は合併前の自治体との親密な関係が薄れて、人的にも、財政的にも事業や活動が困難になっており、地域に密着した事業や活動が弱くなった分だけ「限界集落」化した地域における不安感が強くなっている。合併により従来の行政等による社会サービス、福祉サービスの提供が急激に低下しているわけではないが、サービスと住民との物理的、心理的距離は遠くなっており、このことが周辺化意識を強めることになっている。
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Research Products
(3 results)