2007 Fiscal Year Annual Research Report
福祉コミュニティづくりにおける「地域通貨」の意義と役割に関する調査研究
Project/Area Number |
17530439
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Research Institution | Nagano University |
Principal Investigator |
鷹野 和美 Nagano University, 社会福祉学部, 教授 (20316277)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古田 睦美 長野大学, 環境ツーリズム学部, 准教授 (60278166)
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Keywords | 地域通貨 / 共生 / 異世代交流 / 学生 / ボランティア活動 / 老人会 / 地域福祉 / コミュニティ |
Research Abstract |
地域の助け合いの仕組みづくりを目的とし、NPO活動団体である学生地域くらしづくり考房こみっとが、長野大学が位置する上田市下之郷地域において、高齢者組織である老人クラブ双葉会会員の協力のもと、支えあいの意向とニーズの調査及び、その結果に基づいた交流活動を実施し、三年間をかけて地域通貨の導入実験をおこなった。本研究グループは交流活動に参与観察調査を行うとともに、地域通貨の導入実験を共同でおこなった。 こみっとの活動としては、ニーズ調査で高齢者は学生との交流や御用聞き訪問、認知症予防教室などを要望していたため触れ合い交流会や御用聞き訪問を行ったほか、地域の剰余農産物を集めて大学祭で野菜市、脳生き生き教室も実施した。学生による御用聞き訪問は、農作業援助や話し相手などで高齢者との触れ合いを深めた。この地域の異世代からなる交流と新たな福祉コミュニティ形成に適用する地域通貨の形体を探るため、実際に調査や野菜提供への感謝として発行し、行事の時は参加費として持参して使用してもらった。こうした活動に際して地域通貨を用い、通貨の効果測定および認知度調査などを行った。紙券の場合の方がより使いやすく、不特定の参加者を巻き込むには適しているが、持続的反復的な関係性の維持のためには通帳方式などのより適した形態もありえる。高齢者が使いやすい地域通貨のしくみについても考察した。 結果として、地域通貨の使用がこれまで関わりの無かった異世代間の交流と持続的な助け合いを創り出すのに有効であるという結論を得た。地域福祉計画への地域通貨の利用計画策定に関しては、今後の課題として残された。
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Research Products
(1 results)