2006 Fiscal Year Annual Research Report
非可換力学系におけるエントロピーと環の構造及び従順な作用を認める群
Project/Area Number |
17540193
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Research Institution | Osaka Kyoiku University |
Principal Investigator |
長田 まりゑ 大阪教育大学, 名誉教授 (80030378)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
片山 良一 大阪教育大学, 教育学部, 教授 (10093395)
藤井 正俊 大阪教育大学, 教育学部, 教授 (10030462)
岡安 類 大阪教育大学, 教育学部, 助教授 (70362746)
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Keywords | 作用素環 / 非可換力学系 / エルゴード変換 / 自己同型写像 / エントロピー / 群 / 接合積 / 状態 |
Research Abstract |
1)研究発表の最初の論文では、 従順な作用を認める離散群の自己同型写像に対するエントロピーについて調べた。 従順な作用を認める離散群の代表例は、自由群である。ここでは、特に、可算無限個の生成元を有する自由群F(∞)の生成元の間の変換から導かれる自己同型写像のエントロピーの値は、ゼロとなることを示した。群の自己同型写像は、必然的に、群から構成される作用素環の自己同型写像を誘導する。 したがって、この論文の結果から、自由群環の自己同型写像に対するStormer、Brown-研究代表者、Dykemaが示した以前の結果は全て自動的に導かれる。 2)研究発表の3番目の論文では、 自由群を代表例とするhyperbolic groupを対象としてエントロピーの値を求めた。Voiculescuはヒルベルト空間上の作用素に対する或る不変量を導入した。hyperbolic groupに関連するsubshiftに対する位相的エントロピーは、Voiculescuが導入した左からの移動作用素に対する不変量の値より、常に、小さくなることを示した。 3)研究発表の4番目の論文では、 Voiculescuの提示したエントロピーに関する或る問題に解答を与えた。 すなわち、n個の生成元からなる自由群F (n)に関連したユニタリに対してVoiculescuが導入したperturbation theoretic entropyの値を決定した。 その値はlog (2n-1)である。
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Research Products
(4 results)