2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17540215
|
Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
和田 節子 The University of Electro-Communications, 電気通信学部, 准教授 (30017404)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小野 洋 電気通信大学, 電気通信学部, 助教 (00134867)
|
Keywords | 星雲 / シリケート / 炭素質物質 / プラズマ / 紫外線 / 光電子放出 / 星間塵 |
Research Abstract |
塵が長い間星間空間に滞在するとどのように変わるか、暗黒星雲で表面反応の場として考えられている塵の表面を研究する。そのため、水素プラズマによるシリケートの変質と、紫外線による炭素質物質の変質を調べた。シリケートは天然物と合成物を、炭素質物質は実験室での合成物(QCC)である。シリケート粉末を水素プラズマに曝すと表面が褐色に変化するが、アルゴンプラズマに曝してもシリケートはあまり変化しない。数種のシリケートの実験から、Mg0/Si02比が大きいシリケートほど変質しやすいことがわかった。ESR測定では、天然のシリケートは、水素プラズマに触れると強磁性体の示す大きなピークが現れた。微量に含まれていた鉄イオンが還元されたと思われる。電子顕微鏡観察すると、小さな鉄と見られる小球が生じていた。粉末の反射率測定では、水素プラズマ処理したものは明らに可視光領域で暗くなった。このような反射スペクトル研究は、宇宙で風化を受けている小惑星などの天体の反射スペクトル研究に役立つと考えられる。 炭素質の塵の研究においては、超高真空装置に合成物(QCC)をとりつけ、308,222,172nmの波長を持つエキシマランプ光を照射し、まずは光電子放出を観察した。多環式芳香族化合物が主成分であるfilmy-QCCと、炭素質物質であるdark-QCCを調べたところ、ともに222nmと172nmの光では光電子放出が見られた。紫外線光電子分光法でfilmy-QCCの仕事関数を測定した。超高真空下で172nmの光を長時間の照射しても、赤外線吸収スペクトルには変化が見られなかった。仕事関数から考え、多少イオン化していると考えられるが、固体状態のFilmy-QCCはこの波長の紫外光ではきわめて変質を受けにくいことがわかった。
|
Research Products
(1 results)