2007 Fiscal Year Annual Research Report
カーボンナノチューブとフラーレンピーポッドにおける1次元電子状態の直接観測
Project/Area Number |
17540333
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
石井 廣義 Tokyo Metropolitan University, 大学院・理工学研究科, 准教授 (90128562)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
真庭 豊 首都大学東京, 大学院・理工学研究科, 教授 (70173937)
宮原 恒あき 首都大学東京, 大学院・理工学研究科, 教授 (00106600)
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Keywords | カーボンナノチューブ / 光電子分光 / フラーレン / ピーポッド |
Research Abstract |
フラーレンピーポッドや金属内包フラーレンピーポッドと呼ばれる物質は、単層カーボンナノチューブ(SWCNT)内にフラーレン(C_<60>,C_<70>)や希土類金属などを内包したフラーレン(M@C_<82>など)を内包した物質であり、ナノデバイス等への応用の観点から注目されている。本研究では、光電子分光法を用いてC_<70>フラーレンピーポッド(C_<70>@SWCNT)と金属内包フラーレンピーポッド(M@C_<82>@SWCNT[M=Gd,Dy,La])の電子状態を直接観測した。その結果,C_<70>@SWCNT中のC_<70>フラーレンの電子構造は,C_<70>薄膜のそれとの変化は観測されなかった。一方,M@C_<82>@SWCNT中のM@C_<82>の電子構造は,対応するM@C_<82>薄膜のそれとは異なった。すなわち,La@C_<82>@SWCNTでは内包によって電荷移動が起こり,SOMO(the singly occupied molecular orbital)レベルがフェルミ準位近くに観測された。このことは,La@C_<82>@SWCNTがわずかなホールドーピングで容易にマルチキャリアー導体になることを示唆している。また,Dy@C_<82>@SWCNTでは,Dy@C_<82>のSWCNTへの内包過程においてC_<82>ケージからDyに0.1個の電子移動が観測された。このようにM@C_<82>@SWCNTの実験では,M@C_<82>のSWCNTへの内包前後で,M@C_<82>の電子構造に変化が起こり,新規ナノデバイスへの応用研究へつながる結果が得られた。
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