2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17560214
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Research Institution | Shibaura Institute of Technology |
Principal Investigator |
大賀 壽郎 芝浦工業大学, 工学部, 教授 (30327754)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡邉 祐子 東京電機大学, 情報環境学部, 助手 (20287444)
浜田 晴夫 東京電機大学, 大学院・情報環境学専攻科, 教授 (00164913)
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Keywords | スピーカ / 超音波モータ / 速度変調 / はずみ車 / 紙コーン / ディジタル駆動 |
Research Abstract |
ここ10年ほどの期間、スピーカの用途は多様化の一途をたどっている。従来の電磁変換原理によるスピーカでは改良に本質的な限度がある用途にまで応用が要求されるようになってきており、満足に対応できない例が顕在化している。特に低周波数大出力の動作に対する不満が大きい。 この研究はこうした現状を打破するための電気音響変換器としてのスピーカの改良を目的とし、まったく新しい動作原理であるセラミック圧電材料による超音波モータを用いて極めてコンパクトかつ高度コントロール可能な変調型スピーカを実現することによって、およそ1kHz以下の帯域で安定かつ大振幅動作の可能なスピーカを提供しようとするものである。 昨年度の検討で数種の基本構成案を比較した結果、はずみ車をもつ超音波モータを浮動回転させ、その回転速度を音響信号入力振幅で変調して、従来のスピーカと同様の機械的振動放射体(紙コーン)を駆動する基本構成が放射能率、再生周波数帯域の両者において有利であることが知られたのでこれを研究対象の第一候補と決定した。 本年度はこの基本構成の動作解析と設計法の検討に重点をおき、2回の試作検討を繰り返した。 第1のモデルでは、本来一方向に一定速度で回転して動作することを前提に設計されている超音波モータの回転速度を変化して音響信号放射体を駆動するには、どのような構造、定数の超音波モータを、どのような回転状態で用い、どのような方法で回転を制御すべきかを定性的に検討した。その結果妥当な構造が知られたほか、はずみ車の定数と紙コーンの寸法との関係などに関しても設計の目処が得られた。 この結果を取り入れ、第2のモデルははずみ車、紙コーンいずれも実用に近い大型のものを用い、機械的な強度にも配慮して設計した。その結果、低周波数領域で100dBを超える実用上十分な出力音圧を得ることができ、また従来の動電スピーカに比べ位相特性が超低周波数まで平坦であり、大きな実用的特長をもつことが確認された。 一方、研究分担者の担当分を含む電気的駆動系の研究もすすめた結果、DSPチップを用いたディジタル駆動システムが従来のアナログ回路による駆動方式に交代可能であり、また制御性などの点で利点が多いことが確認された。この技術はスピーカのみならず超音波モータの種々の応用システムに適用できると考えられる。
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Research Products
(6 results)