2007 Fiscal Year Annual Research Report
線引きを解除した地方都市における開発動向と土地利用計画に関する総合的研究
Project/Area Number |
17560476
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
出口 近士 University of Miyazaki, 工学部, 准教授 (70117175)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉武 哲信 宮崎大学, 工学部, 准教授 (70210672)
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Keywords | 都市計画白地 / 開発動向 / 防災情報 / 避難態勢 / 啓発 |
Research Abstract |
本年度は、1)都市計画白地でのダウンゾーニングの効果分析、2)土地利用問題に関するヒアリング・アンケート調査および3)以上の成果に基づいた国際比較研究(日本とデンマーク)を実施する計画であったが、3)については、未だ十分な成果を得るに至っていない。 1)に関しては、都城市の白地地域でのダウンゾーニングが十分機能していないことを踏まえ、2)と関連させて、白地内で新規立地した住宅の居住者に対して居住環境に関する調査を行なった。この結果、居住者は学校環境、近隣の道路整備状況、農地の混在などに関して不満を抱いているものの、総合的には「住みやすく、満足している」ことが明らかとなった。また、転入時に「白地の意味を知らなかった」者が85%と多く、都市計画の制度と市民の意識の乖離が存在し、またそれが市民の不満につながっていることを明らかにした。(平成20年度全国大会で発表予定) また、1)および2)に関連して、特に水害防災の観点から白地、用途地域双方での土地利用のあり方を検討するために、水害経験地域、水害想定区域と新規立地の関係を明らかにし、またそれらの区域内の住民の防災意識と居住地選択との関係を調査・分析した。この結果、水害を経験した地域においても新規立地が進んでいること、それらの住宅が必ずしも水害対策を施したものではないことが明らかになった。また、ハザードマップの認知度や避難体制の確立等に関し、住民の意識は必ずしも高くないことが判明した。 以上より、都市計画制度や防災への住民の理解不足が住民の行政に対する不満と関係していることを示唆しており、今後、この対策のための制度整備が重要であるとの結果が得られた。
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Research Products
(2 results)