2005 Fiscal Year Annual Research Report
建築外装仕上材の剥離発生メカニズムの解明と剥離防止技術の確立に関する研究
Project/Area Number |
17560509
|
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
大久保 孝昭 広島大学, 大学院・ 工学研究科, 教授 (60185220)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 慎也 広島大学, 大学院・ 工学研究科, 助手 (30325154)
|
Keywords | 外装仕上材 / 剥離 / 接着一体性 / ひび割れ / 外壁 / ラスモルタル / 耐久設計 / 目的指向 |
Research Abstract |
本研究は建築物を構成する積層部材における躯体と仕上げ材との剥離発生メカニズムを解明し、効果的な剥離防止技術を確立することを目的としており、本年度は下記の検討を行った。 (1)タイル張りや左官モルタル仕上げのRC壁面に関しては「外気環境変化に伴う剥離発生の条件とメカニズムに関する実験および解析」を実施した。コンクリート躯体に左官モルタル、タイル、補修用ポリマーセメントモルタルまたは左官用エポキシ樹脂を施した複合試験体に関し、各試験体内部の層間に荷重または外気環境変動に伴う層間ムーブメントを生じさせて、試験部材内部で層間剥離が生じる条件やメカニズム解明のための実験を行った。 (2)タイル張りRC壁面の温冷ムーブメントによる剥離メカニズムを解明するために、温度応力解析プログラム(FEM)を作成し、外気環境変化に伴う積層仕上部材の変形・応力を解析した。その結果、温度解析に関する解析結果が実験結果とほぼ一致することを確認し、また試験体の気温が急激に高くなるときに面外方向の剥離応力が発生すること等を明らかにした。 (3)木構造物の外装仕上げ材に関しては、ラスモルタルや最外表仕上げ材の剥離発生に大きく影響するラスモルのひび割れの発生状況とその防止対策について実験的に検討を行った。実験では、収縮低減剤や膨張材などモルタルの収縮低減がラスモルのひび割れ防止に有効となることを明らかにした。 (4)ラスモルタル壁面内の応力解析プログラム(FEM)を作成し、乾燥収縮率、壁面形状および伸縮調整目地の影響についても検討を行った。 来年度は、本年度の実験結果を基にRCおよび木造建築物における積層部材の層間剥離防止対策を纏める予定である。
|
Research Products
(3 results)