2005 Fiscal Year Annual Research Report
既存住宅市場の評価構造が住宅の耐用性・居住空間の質に及ぼす効果の日韓比較研究
Project/Area Number |
17560548
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Shiga University |
Principal Investigator |
山崎 古都子 滋賀大学, 教育学部, 教授 (50024013)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
李 秀ちょる 名城大学, 経済学部, 助教授 (10329683)
秋山 元秀 滋賀大学, 教育学部, 教授 (00027559)
梅澤 直樹 滋賀大学, 経済学部, 教授 (50093563)
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Keywords | 既存住宅の耐用性 / 住宅の投機性 / 市場評価 / まちなみ評価 / 居住空間の質 / 景観の中の時間 / 循環型住宅ストック / 日韓比較研究 |
Research Abstract |
本研究は、サスティナブル社会の実現のために既存住宅の需給構造と市場の仕組みに焦点を当て、日本における住宅の循環型管理を阻害する要因を解明する継続研究である。これまで日米比較調査研究から日本の特徴が得られているが、その結論をさらに都市化や所得水準が近似する隣国韓国との比較やマクロ統計データなどから検証し、我が国の住宅市場の位置づけを明らかにする。 1.韓国の居住者ヒアリング調査 韓国は住宅の寿命が短く、住宅の投機的売買が活発であることに着目し、経済効率優先の短期寿命型需給構造が住宅の居住性、近隣関係に及ぼす歪み及び、伝統的居住空間の変貌・居住環境の成熟・崩壊過程への関与に関する項目を、韓国の研究者の協力によって居住者のヒアリング調査実施した。 (2)韓国の研究者2名を講師に招聘しレクチャーを受けた後、韓国における調査の準備を検討した。 2.日本の郊外住宅地調査 建築経過年数は住宅の寿命観におけう代表的なマイナス要因であるが、同時に景観の成熟要素でもある。このことから本調査は居住者が居住地景観へ寄せる関心の度合いを把握し、景観のドラステックな変化をもたらすと言う視点から建て替えを再評価することを目的にした。 調査の概要:大阪府、滋賀県で過去30年間に開発された郊外住宅地を対象に居住者調査を実施した。 調査時期と方法:調査票の配布をポスティングし、郵送で回収。調査期間は2005年8月〜11月。配布数2026票、回収数1095票、回収率54.0%。 本年度に得られた結果:居住者のまちなみ対する関心は高い。まちなみ評価に強い影響を与えているのは「緑」「自然」の状態と、全体の統一感である。したがって、経過年数が重要な期ワードになる。また、まちなみの受容感とまちなみの愛着には高い相関が見られ、保存活動へのインセンティブとなることが確認された。
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