2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17560596
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
有田 裕二 名古屋大学, エコトピア科学研究所, 助教授 (50262879)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松井 恒雄 名古屋大学, 大学院工学研究科, 教授 (90135319)
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Keywords | 比熱容量 / セラミックス / 高温物性 / 相転移 |
Research Abstract |
本研究グループで開発した直接加熱パルス熱量計の高度化を行った。主な実施項目は、(1)2000K以上の高温域での測定のための改造。(2)測定精度の向上、(3)測定対象の拡大である。 高温域への測定範囲拡大については、ヒータ素材をこれまでのタンタル線からリボン状黒鉛ヒーターに変更することを行った。発熱面積を増やすことで、ヒーター自体が加熱することを押さえることができるため、ヒーターの劣化を遅らせることができ、より高温での測定も可能となった。高温では熱電対が試料と反応するため、測定部近傍の温度を熱電対で測定し、非接触で塩度変化を測定していたが、多波長放射温度計を整備することで、測定部の温度を非接触で測定することが可能となり、より温度計測精度が向上した。 測定対象の拡大は、抵抗が大きく加熱の困難な高抵抗セラミックスと微小試料について行った。高抵抗試料としてはSr(Zr,Y)O_3を用いた。この試料は室温ではほとんど電気を通さないが、温度を上げると徐々に電流が流れるようになる。この試料について、温度を上げながら測定を行ったところ、600℃以上で測定が可能であった。そのときの試料の導電率は1.4×10^<-2>Sm^<-1>であった。これ以上の導電率であれば比熱容量の測定は可能である。これ以上の抵抗では試料に印可する電圧が高くなり、真空中で放電が起こるため今後の絶縁向上が課題である。一方、微小試料については水素化ハフニウムの試料(1×1×15mm)の測定を行った。室温から1000Kまでの測定が確認された。また、規則-不規則転移によるラムダ型の熱容量異常も明確に観測され十分な精度で測定が可能であることが確認された。
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