2005 Fiscal Year Annual Research Report
蓄熱潜熱カプセル-水系混相流を利用したマイクロ熱交換器設計に関する基礎研究
Project/Area Number |
17560657
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
栗山 雅文 山形大学, 工学部, 教授 (90107178)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
門叶 秀樹 山形大学, 工学部, 助手 (30272082)
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Keywords | 潜熱蓄熱材 / 蓄熱微粒子 / 蓄熱カプセル / 固液混相流 / 熱物性値 |
Research Abstract |
本研究では,蓄熱潜熱材をマイクロカプセルに封入し,これを水に分散させたスラリーを作動流体に用いて,効率の良いマイクロ熱交換器の開発のための基礎研究を行った。潜熱蓄熱カプセルスラリーは所望の温度で蓄熱材が融解するように化学メーカーに依頼して作製したもので,カプセルの粒子径は2,5および10μmの3種類であり,蓄熱材の融点は16℃と31℃の合計6種類である。このスラリーを所定の濃度に調整して流動伝熱実験に供することにした。流動伝熱実験に先立ち,スラリー自身の熱物性値やカプセル自体の熱物性値が必須となるが,'蓄熱材の融点を所望の温度にするために有機化合物を適宜混合してカプセル化するため,これらの熱物性値は未知のものがほとんどである。そこで本年度は先ず,各種熱物性値の測定を行うことにした。熱伝導度は本科学研究費で購入した熱伝導度測定装置で,密度はピクノメーターで,また比熱と潜熱量は示差熱天秤(DSC)で測定した。測定に際してはスラリーの温度を融点前後で種々変化させる必要があるので,本科学研究費で循環式恒温槽を導入し温度コントロールを適切に行った。その結果,蓄熱カプセルスラリー及び蓄熱カプセルは,融点近傍で大きく熱物性値が変化することがわかり,融点を境にカプセルが比較的大きな体積変化を生じること,カプセルの潜熱量が十分に大きいこと,熱伝導度が変化することなどがわかった。 今後はこのスラリーを用いた流動伝熱実験を行う予定であるが,先ずは基礎となる単一キャピラリー内の流動伝熱測定を行い,ついで,キャピラリー群の流動伝熱実験を行う。これらの測定は蓄熱カプセル無しの状態でも行い,蓄熱カプセルスラリーの優位性を検討する。
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