2006 Fiscal Year Annual Research Report
農業汚染地下水復元のためのナノクラスタ触媒システムの開拓
Project/Area Number |
17560678
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Research Institution | HOKKAIDO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
奥原 敏夫 北海道大学, 大学院地球環境科学研究院, 教授 (40133095)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
神谷 裕一 北海道大学, 大学院地球環境科学研究院, 助教授 (10374638)
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Keywords | 地下水汚染 / 硝酸イオン / アンモニア / 固体触媒 / 選択還元 / Pd-Cu合金 / クラスタ / 疎水性 |
Research Abstract |
農業地区での過剰施肥や酪農での家畜し尿、さらに一般に生活廃水による地下水の硝酸汚染は深刻であり、硝酸汚染水は乳児のメトヘモグロビンや大人の糖尿病や癌の原因と疑われている。地下水修復では、飲料水では有害副生物NH_3(0.5ppm)の厳しい生成抑制がある。本研究は最近の新規な浄化法としてCu-Pd合金触媒による還元浄化を実施した。その中で、よりシンプルな一段法にチャレンジした。様々な触媒の中で活性炭担持Pd-Cu合金触媒が優れていること、その中で疎水性の高い活性炭が有効であることを示した。さらに、Cu/Pdの比の制御や新規合成したPd-Cuクラスタを調製原料とした活性炭担持Pd-Cuが、NH_3生成を許容濃度に抑える事ができ、さらに、長時間(100時間以上)安定に機能できることを見出した。さらに、共存イオン(主に硫酸イオンや塩素イオン)の影響を検討した結果、硫酸イオンは触媒活性に大きな影響を与えず、また塩素イオンの共存による活性低下は少ないことを確認した。 Cu-Pd/ACを用いての速度論的研究から硝酸イオンの還元は亜硝酸イオンを中間生成物とする逐次反応であり、またN_2、NH_3は亜硝酸イオンからの併発反応によって生成することがわかった。N_2になるかNH_3になるかは重要であるが、中間体と推定される吸着NOが二分子か単分子反応するか、その支配因子が鍵である。N_2(またはN_2O)の生成には少なくとも、触媒表面で亜硝酸イオンやNOが表面で強く密に吸着することが必要であることを解明した。
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Research Products
(5 results)